ドイルやポーなどの推理小説家に憧れながらも、何者でも無い貧乏暮らしの平井太郎(後の江戸川乱歩・濱田岳)は、初老の名探偵・白井三郎(草刈正雄)と出会い、魅了され、探偵稼業へと乗り出す。貿易商・住良木(すめらぎ)(尾上菊之助)や、秘密倶楽部の女主人・美摩子(みまこ)(松本若菜)、太郎を見下す新聞記者・潤二(じゅんじ)(森本慎太郎)など癖の強い人々に翻弄され、難事件に巻き込まれていく。
平井太郎(濱田岳)と白井三郎(草刈正雄)は、画商・廻戸(めぐりど・原田龍二)殺しの真犯人を求め動き出す。太郎は、手がかりを求め、廻戸がパトロンだった人気の踊り子・お百(ひゃく・世古口凌)に近づくが、その美しさに魅了されていく。一方、美摩子(みまこ・松本若菜)は、お百のパトロンとなった外務次官・後工田(ごくうだ・近藤芳正)に接近する。そんなとき、隆子(りゅうこ・石橋静河)が帝都にやってくる。
踊り子のお百(世古口凌)が平井太郎(濱田岳)に届けたのは、怪盗からの後工田(ごくうだ)(近藤芳正)殺害予告状だった。白井三郎(草刈正雄)に問い詰められた後工田が取り出したのは、怪盗が求める財宝の在処を記す地図だった。一方、帝都にやってきた隆子(石橋静河)は、若者たちに絡まれる初之助(泉澤祐希)に遭遇。そこに現れた住良木(尾上菊之助)に助けられた初之助は、住良木の言葉に魅了されていく。
後工田(ごくうだ・近藤芳正)殺害現場から逃亡した初之助(泉澤祐希)を太郎(濱田岳)と三郎(草刈正雄)は見つけ出すも、現れた住良木(尾上菊之助)の車で初之助は姿を消す。数日後、初之助の死を告げる潤二(森本慎太郎)。悲しみに暮れる太郎にかける言葉が無い隆子(石橋静河)。やがて三郎は隠れ家が見つかったと太郎に告げる。「毒喰らう覚悟があるならついてきな。『探偵』という夢が知りたいなら」…決戦の日を迎える。