ある日の早朝、多摩南署の刑事・近松丙吉(伊東四朗)に係長の村越実(角野卓造)から事件の一報が入る。ディスカウントショップで強盗殺人が発生し、従業員が刺殺されたという。現場には二種類の足痕が残っていて、犯人は二人組と思われた。近松は現場に着くなり、管理官の山形治(三浦浩一)から「単独プレーで捜査を混乱させないように」と釘を刺されてしまう。 防犯カメラ映像で、犯人の一人は陣内光彦(陳内将)と判明。二度の逮捕歴があり粗暴な性格で、さらに多額の借金があるという。捜査会議では陣内の身柄確保と、共犯者の身元割り出しに総力を挙げるよう指示が出される。しかし、山形は所轄署の近松と西尾昭夫(マギー)の二人だけに、陣内の唯一の身内で叔父の八坂建託副社長・八坂新太郎(山口馬木也)の家を張り込むよう命令する。本筋の捜査から二人を外そうとする山形の考えに納得できない近松と西尾だったが、仕方なく命令を受け入れる。 近松と西尾は八坂建託に出向き、八坂新太郎に接触するが、「私を頼るとは思えない」という新太郎。自分は婿養子で、八坂建託の社長である妻・多美子(川島なお美)は、新太郎の身内に厳しく、特に陣内とは反りが合わなかったという。近松たちの説得で、家の張り込みに同意した新太郎だったが、多美子は今、体調を崩し自宅療養中なので、多美子に張り込みの件は内密にして欲しいという。 近松と西尾は、八坂邸に二つだけある出入り口、玄関と裏口の二手に別れて張り込むことに。新太郎とは、陣内が邸内に侵入した場合、合図として玄関と裏口の門灯を同時に点けるという約束をしていた。そして深夜1時をまわった頃、突然、門灯に明かりが点く。慌てて邸内に飛び込む近松たち。何かの音楽が聞こえ、リビングには陣内の姿があった。近松たちがリビングに入ると、陣内はその時ちょうど二階から降りてきた多美子にナイフをつきつける。そして、新太郎が止めるよう詰め寄るなか激高し、多美子を刺して逃走してしまう。 邸内に陣内が侵入したことに気付かず、目の前の犯行も止められず、さらに犯人を取り逃がしてしまった近松と西尾は、山形管理官から叱責される。ところが八坂邸の防犯カメラ映像を確認した近松は、ある不審な点に気付く…。