花村絢乃(麻生祐未)は大学生の娘と暮らすバツイチ子持ちの検事だ。絢乃は司法試験を受けず、法律で定められた条件を満たすことで任用された珍しいタイプの検事で、裁判官だった父の遺言により検事正・岡田幸喜(高橋英樹)から特命を受け、東京地検刑事第一部で働いている。 ある夜、公園の石段で若い女性が突き落とされる事件が発生。駆けつけた巡査がその場に立ち尽くしていた平山恒子(東ちづる)に声をかけると、彼女は「自分がやった」と自供した。被害に遭った女性は恒子の娘・真弓(南沢奈央)が勤める美容室の同僚だった。恒子は、真弓が彼女から嫌がらせを受けていると知って公園に呼び出し、口論の末に突き落としたと供述。だが真弓は警察に「母が勝手にやったこと。自分には関係ない」と答えたという。恒子のかたくなな態度や親子の感情の食い違いに不自然さを感じた絢乃は、恒子を起訴せず処分保留とした。 絢乃は事務官の宇治谷巌(温水洋一)を伴い、関係者への聞き込みを始める。真弓のアパートを訪ねた帰路、宇治谷は恒子たち母娘を以前見かけていたことを思い出す。それは5年前、恒子の夫の葬式でのことだった。恒子の夫は、ある贈収賄事件の取り調べを受け、拘置所で自殺していた。 5年前、東京地検特捜部は大物政治家と三葉重工が絡む不正献金のルート解明に躍起になっていた。三葉重工には5億円に上る使途不明金があり、その金の受け渡し役として特捜が目を付けたのが恒子の夫だった。取り調べが進む中、横領の疑いをかけられた夫は、初めのうちは容疑を否認していたが、認めた直後に自ら命を絶ったという。 横領犯の汚名を着せられたまま死を選んだ夫。残された恒子と真弓は世間から隠れるように生きてきた。だが絢乃には恒子の夫が横領を働くような人物だったとは思えない…。 取り調べ中の被疑者の自殺は、検察にとって世間に思い出させてはならない失態だ。面倒を起こされたくない上司らの強い反対にもかかわらず、絢乃は真実を突き止めるべく懸命の捜査を続ける…!!