重犯罪を担う警視庁捜査一課・特殊犯罪捜査係SITのバイクチーム…通称・トカゲ班。宮益坂署生活安全課少年係の井守響子(黒谷友香)を始め、第二機動捜査隊の矢島健太(渡部豪太)、交通機動隊の郷田修平(大地康雄)などが名を連ねる。ひとたび事件が起きればトカゲ班として招集され、極秘の追尾偵察任務にあたる。任務中は警官の身分を明かすことも許されない。トカゲの如く目立たず迅速に行動し、事件を解決に導く。まさに警視庁の隠密部隊である。 ある日、現金輸送車が強奪される事件が発生。警備員も連れ去られる。急行したバイク班はある倉庫エリアで不審者を発見し、そのまま追跡を開始。ナンバーから所有者が正木隆春(東根作寿英)だと聞いた郷田は、1年前に依願退職した後輩の元白バイ隊員だと言い出す。倉庫に戻った響子は、現金輸送車と白バイ、人質の警備員を発見するが、車の陰で前科三犯の工藤芳樹(檜尾健太)が血を流し絶命していた。また不思議なことに強奪された7,300万円のうち5千万円のみが無くなっていた。一方、郷田と矢島は追跡していた不審者を見失ってしまうが、正木のアパートからは犯人と思しき証拠が発見され、事件の主犯だと目される。 正木は退職後に妻・冬野梢(白石美帆)と離婚していたが、家族思いの様子をよく知る郷田には信じ難い。しかもなぜ5千万円だけ奪ったのか、謎は残されたまま…。しかし警視庁は現金輸送車襲撃事件の主犯、さらに工藤殺しの容疑者として正木の名前と顔を公表する。 さらにその日の深夜、第二の殺人が発生する。被害者は下町にあるケミカル工場の社長・井岡勝(掛田誠)。工場からは薬品が盗まれていたが、駆けつけた強行班係で響子の恋人・津吹新太郎(永井大)は、それらが爆弾の材料だということに気づく。また調べを進めると、1カ月前、トラブルで工場を辞めた立花守(斉藤祥太)が、梢が勤める宅配弁当センターで働いていることがわかる。 そんな中、梢に近づいた響子は、一人娘・絵葉(齋藤志帆)が1年前に大きな心臓の手術をしていることを知る。「幸せはふたついっぺんに追えない」…そんな梢の言葉を聞いた響子は、離婚の裏にはなにか特別な事情があったのではと思い始める。