白馬岳の山小屋を、華道家・峰原弥生、編集者・高畑明久、山岳カメラマン・篠田由香の一行が訪れた。弥生が活ける華道作品のための撮影旅行だという。しかし3人の仲は険悪だ。芸術家肌の弥生に、苛立ちを隠せない由香。弥生を家元に据えて、峰原流を乗っ取ろうとする高畑。山小屋の主人・大杉尚は、仲の悪い3人に登山ができるのか心配する。 高畑は大杉に、弥生の最初の作品集を見せた。“立山連峰に稲光が走る瞬間”を捉えた写真を背景に、華麗な生花が据えられる。見事な山岳写真だった。