カスタムドール愛好家のオフ会で出会った聡(工藤阿須加)と美智子(臼田あさ美)。鬱屈とした日々の中、大切にするドールに心の拠り所を求め生活を送る二人は意気投合してホテルへと向かう。ドールのアリスとカズくんを並んで座らせ、目の前で愛をかわそうと提案する美智子。人形の視線が気になり集中できない聡。躊躇いながらも見つめあいキスをする二人、白い手袋が互いの肌を滑り落ち、やがて二つの体は激しく重なり合うと―。
付き合って3か月の大学生の香苗(木竜麻生)と隆司(萩原利久)。デートを重ね、今夜は初めて香苗の一人暮らしの部屋で一緒に夜を過ごすことになる。お互い初めての恋人で、つまり未経験の二人。コンビニで歯ブラシやパンツなどお泊まりグッズを買い、浮き足立つ二人だったが、いざ部屋に入ると一体どう先に進めばよいのかがわからず、お酒を飲んだり、映画を観たり、当たり障りのない会話で時間をやり過ごす。しかしお互いの頭の中は“そのこと”でいっぱいで―。
海辺の小さな町を軽トラが走る。上田(大森南朋)は三代続く酒屋の店主、青木(松雪泰子)はその店でパート店員として働いている。いつも通りの配達の帰り道。別れた妻が子供を連れて出て行った上田。東京の仕事に疲れ故郷に舞い戻った青木。40代後半に差し掛かった同級生の幼馴染同士が、車を走らせながら穏やかに会話を重ねる。遠い昔のこと、自分たちのこと…やがて二人はどちらともなく唇を交わして―。
姉の瑞穂(青山美郷)と妹の菜摘(中田青渚)が二人暮らしをする家に、瑞穂の彼氏・芳樹(望月歩)が泊まりに来る。二人の間には体の関係がまだ無い。瑞穂がシャワーを浴びる間、芳樹から二人の関係性を根掘り葉掘り聞き出そうとする菜摘。「はよお姉の処女捨てたって」と言いつつも、「お姉、長風呂やねん」と積極的に芳樹を誘惑する菜摘、菜摘の猛攻をなんとかかわし続ける芳樹。やがてシャワーの音が止み、部屋のドアが開く。
残業の金曜日、映像制作会社で働く美織(岡本玲)は、いつも残業に付き合わせている後輩の啓太郎(ラランドニシダ)をオフィス呼び出す。上司との不倫関係に満たされない思いを抱える美織は、不倫相手の愚痴を啓太郎に聞かせる。美織の残業に付き合う度、コンビニでシール付きチョコ“ラビチョ”と使わないコンドームを買っていた啓太郎。バックアップが終わるまでの1時間、ラビチョをつまみながら会話をする二人。22時の消灯時間も近づいた頃、二人は見つめ合い―。
5年間もお互い意識ながらも、同棲するパートナーの手前その気持ちを隠してきた浩二(中尾明慶)と智子(さとうほなみ)。ある晩酔っ払った勢いでラブホテルに入ってしまう。「セックスをしたい」という想いは一致しながらも、パートナーのことが気にかかる二人は、“浮気”を正当化する理屈をこねくり回す。「セックスすれば、罪悪感を抱えて相手に対して優しくできる」など自分たちに都合の良い理屈を考え出し必死に言葉を重ねるが、結局渦巻く欲望には抗いきれず―。
初めてのデートでどしゃ降りに見舞われた月子(趣里)と陽太(渡辺大知)。雨を言い訳に陽太は月子の家に上がり込む。すると月子の口からまさかの言葉が飛び出す。「私とエッチしたら、死ぬかもよ」。月子は超アンラッキー体質で過去の恋人たちは皆逃げ出してしまったのだという。早速陽太の元にも会社倒産の報せが届くが、負けじと叫ぶ「不幸体質なんて無いことを証明してみせます!」。部屋の外では暴風雨が猛威を振るう。轟く雷鳴、走る稲妻、緊急警報が鳴り響く中、二人のテンションは最高潮に高まりそして―。
女優志望のまみ子(大友花恋)、まみ子にぞっこんな映画監督を目指す裕司(細田佳央太)、裕二のことが好きなあつ子(はぎわらりな)とたかし(東龍美)、まみ子を好きな進(米山強)。一方通行の恋をしている5人が裕二のアパートで鍋をする。手造りの鶏つくね鍋を囲みながら交わす会話に散りばめられる「好き」の合図。それぞれの想いが交錯する中、夜も深まり、部屋に残った二人の人物はやがて見つめあい―。