日本のPTSD研究の先駆者である精神科医・安克昌の生涯を、遺族関係者への取材を基にオリジナルストーリーで描く。和隆(柄本佑)は両親が韓国生まれと知ってから、自分が何者なのか模索していた。やがて親友の湯浅(濱田岳)と同じ大学の医学部へ進学し、映画をきっかけに出会った終子(尾野真千子)と恋に落ちる。
大地震が起きてすぐ勤務先の病院に向かった和隆(柄本佑)は、野戦病院さながらの光景を目にする。自分の無力さを痛感した和隆は、避難所を回りながら精神科医として自分にできることを模索する。そんな中、旧知の新聞記者からコラムの連載の依頼を受ける。一方、和隆の父・哲圭(石橋凌)の事業が傾き始める。
震災から2カ月がたち、神戸の街の再建設が進む一方、多くの被災者は復興から取り残されていた。心の傷に苦しむ人々に寄り添い続ける和隆(柄本佑)の前に、精神疾患を抱えた患者・心愛(清水くるみ)が現れる。診察の結果、心愛の中には複数の人格が同居していることが分かり、和隆は治療に全力を尽くす。
震災から5年がたち、神戸の街は徐々に復興を遂げていた。新しい病院に移り、理想の医療に燃える和隆(柄本佑)だが、自身にがんが見つかる。仕事を中断して治療に専念するか、病を抱えながら患者と向き合い続けるか、選択を迫られる。和隆は身重の妻・終子(尾野真千子)と共に、有効な治療法を探す。