佐藤彩(瀧本美織)は何の取り柄もない平凡な派遣のメガネOL。幼いころに父を亡くし、シンデレラを夢見るも、現実ではいつも同僚たちに付箋一枚で雑用を押し付けられ、一人残業する日々。便利でいつでも捨てられる “付箋女”と呼ばれていた。しかし彩は、心だけは誰よりも美しかった。 そんな彼女のすぐそば――とある高級ホテルのプールに、ひとりの白いスーツを着た男がいた。日本を代表する日用品メーカー万麗堂の若き社長・一条慶(岐洲匠)。 いつもはクールな慶が、突然大声を上げ、プールに飛び込む。なんと恋人である白石杏奈(石川恋)が、バレエの留学先のNYから日本に帰ってくるというのだ。 そして彩にも初めて恋人ができた。同じ事務所に勤める弁護士の山口(水石亜飛夢)。彩は山口の母校でセレブの子弟が通うことで有名な聖王大学の同窓会に1泊で誘われる。そこには同じく聖王大出身の慶も姿を見せていた。慶はこのパーティーで大学の同級生でもある杏奈にプロポーズするつもりなのだ。 そして彩は、山口の同級生たちに飲まされ泥酔し、謎のイケメン・岡本隼人(時任勇気)とぶつかってしまう。その直後、彩と慶のあいだで、ついに「運命の事件」が起こる。
彩(瀧本美織)を杏奈(石川恋)と勘違いしている慶(岐洲匠)。そして、慶を山口(水石亜飛夢)と勘違いしている彩。 ともに泥酔状態の二人は、お互いを認識しないまま、とうとうベッドイン・・・一夜を共にしてしまう。 そして翌朝、慶は彩に間違えてプロポーズし、結婚指輪を渡す。そんなときだった。二人の部屋に、彩の義兄たちがカメラを持って乗り込んできたのだ!ベッドに彩といる写真を激写される慶。彩の地元の隅咲町にある工場買収に反対してのことだった。 結果、杏奈にプロポーズすることができなかった慶は、彩に怒りを爆発させる。しかし、一緒に来た山口にいいようにされた彩に我慢できず、慶は彩をホテルのサロンに連れていく。 そこで彩を超一流の女に仕立て上げる。一流のメイク、一流のヘアー、一流のドレス。生まれ変わった彩を見て驚く慶。あの地味なメガネっ子が、こんなにも変わるなんて・・・。 そして彩と慶は山口の元へ反撃に向かう―――そんな二人に、衝撃の運命が!
「ありがとうございました。じゃあ」そのまま二度と会わないはずだった彩(瀧本美織)と慶(岐洲匠)。しかし、このあと二人を衝撃の運命が襲う。例のベッド写真が慶の会社に送り付けられた。 そのことを弁護士・北見沢(小松利昌)に相談する慶だったが、なんとその弁護士事務所こそ彩の職場だった。 彩はひとりトイレで気持ち悪くなるものの、いまだに原因がわからないでいた。「まさか、妊娠?」さらに路上で気持ちが悪くなった彩だったが、そんな彼女を救う男がいた。それは以前にも偶然に彩と出会っていた隼人(時任勇気)だった。 隼人は自分が経営するアートギャラリーに彩を連れていく。そして「もしかして、妊娠してるんじゃ…」と話し、きちんと調べてみることを勧める。 隼人の忠告通り、妊娠検査薬を試す彩。すると結果は……ご懐妊! そんな彩の行動を監視していた秘書の安藤(中林大樹)は、早速社長である慶にそのことを報告。「杏奈にどう説明するんだよ!」たった一夜で妊娠……ショックを受ける慶だったが、ベッド写真を送ってきた犯人の住所が隅咲町であることがわかり、水上バスで彩の住む町に乗り込んでゆく。
慶(岐洲匠)の一族は代々子供ができにくく、万麗堂会長である祖母の薫子(田島令子)は慶の子供を心待ちにしていた。 帰りの水上バスの最終便を逃してしまった慶は、彩(瀧本美織)の心の優しさに触れる。そして慶は、彩に自分も正直になろうとこう切り出す。俺には杏奈(石川恋)という恋人がいる。だから・・・「子供は、産ませるわけにはいかない」慶の言葉にショックを受ける彩。彩は翌日、産婦人科に行って中絶手術を受けると慶に告げる。慶は俺も一緒に行くと言い、彩に添い寝をする。眠る彩の手を握る慶。 翌朝、慶が目を覚ますと、彩の姿はなかった。たったひとりで産婦人科に向かったのだ。あの日慶にもらったポーカーチップを握りしめて。彩を追いかける慶。 一方、薫子たちも、彩が中絶手術のため病院にむかったことを知る。あわてて病院へと向かう薫子達。 一方、都心にいる隼人(時任勇気)は、顧客である薫子、そして彩のことを心配していた。 病院の受付にいる彩。「中絶には父親である男性の合意もいる」といわれるが、その瞬間、「父親は……俺です!」の声が。そこに慶がいた。そして、ふたりに「中絶手術同意書」が渡された・・・。
慶(岐洲匠)はいきなり手術室に飛び込み、こう叫んだ。「手術は中止だ!この子には、無事に生まれてきてほしい」涙ぐむ彩(瀧本美織)。そして薫子(田島令子)は彩にはっきりと告げる。「あなた……産みなさい」彩と慶は子供を堕ろすことをやめた。そんな二人をそれぞれの家族が囲む。彩の母・美智子(中島唱子)は「うちの娘だけに辛い想いをさせるなんて!」と慶を責める。 すると薫子は全面的に美智子に謝罪し、彩を一条家の嫁として迎え入れます、と宣言した。 そして決定的な一言。皆がそろっていることだし、この地の神様である隅咲様の神社で結婚式をしましょう、と。 すぐに隅咲神社へと向かう一同。杏奈(石川恋)のために買った結婚指輪をしぶしぶ彩の指にはめる慶。なんだかんだで感動してしまう彩。こうして二人は結婚した。 帰り際、彩の義兄(竹森千人)が口をすべらし、あの同窓会の夜に隅咲町に代々伝わる秘伝の精力剤をシャンパンにまぜて慶に飲ませたことを告白してしまう。 そのせいで慶は彩と間違いを犯してしまい、彩は妊娠・・・ 怒り狂った慶は、弁護士・北見沢(小松利昌)に連絡し、とある書類を彩に渡すよう伝える。
彩(瀧本美織)に慶(岐洲匠)が渡した書類、それは「離婚協議書」だった。そこには「子供を産んだその日に離婚する」と書かれていた。「あなたが、工場を守ると約束してくれるなら、私も子供を産んだら、あなたの前から消えます」と言う彩。 さらに協議書に書かれた慰謝料5千万円の金額を塗りつぶし、こう言った。「お金なんか要りません」 怒った慶は、安藤にあの隅咲町の工場を他に売ってしまえ!と命令。決して売らないと約束したはずなのに・・・。 一方彩は、慶の祖母・薫子(田島令子)から、知り合いの有名な産科医・矢尾先生(岩谷健司)がやっている『母親教室』に行くことを勧められる。 そんな時、万麗堂のライバル会社が、「赤ちゃんにも使える」と謳った万麗石鹸と同じ天然由来の石鹸を発売するというニュースが入った。 焦る慶に、安藤は「カリスマ産科医である矢尾先生からの推薦が取り付けられれば、この危機を乗り越えられる」と発案する。 一方、彩は隼人(時任勇気)が同じ「彩」という名前の生き別れた妹を探していることを知る。 そんな彩と慶の前に、ふたりの心を揺さぶる大きな事件が立ちはだかる。
彩(瀧本美織)と慶(岐洲匠)は、工場の中で姉・美紀(野呂佳代)のお産に立ち会う。「昔はどの妊婦も自宅で出産した。子供の命を守るために、少しでも清潔な環境で子供を迎えようと、君の先祖は万麗石鹸を作ったんだ」という真実を聞く慶。 そしてなんとか無事に出産を成功させる。無事に生まれてきた赤ん坊を、彩とともにまるで我が子の様に抱く慶。そして慶は、赤ちゃんグッズ売り場を貸し切りお腹にいる子供のために木馬のおもちゃを買う。 彩が生まれてくる我が子を「プリン」と呼んでいることを知り、自分も「プリン」と呼ぶ慶。二人はレストランに行くが、そこで偶然ふたりの誕生日が同じであることを知る。 慶は「今までは毎年、杏奈(石川恋)がサプライズを用意して誕生日を祝ってくれた」と語る。一方、彩は「いままで自分の人生のなかで誕生日を祝ってもらったことが一度もない」と告げる。それを聞いた慶は、今年は俺が祝うと彩に告げる。 そんなとき、杏奈から慶に連絡が。来週、北京でバレエの公演があるから、今年の誕生日は日本に帰る、というのだ。 そんなことも知らない彩は、慶のためにお母さんからもらった大切な嫁入り道具の真珠のネックレスを質にいれて、慶が欲しがっていた高級ペンを買う。そのネックレスは死んだお父さんの形見の品だというのに。
慶(岐洲匠)はとうとう決断する。杏奈(石川恋)に告げる慶。「俺はもう・・・お前を待つことはできない。別れよう」そしてついに彩(瀧本美織)を抱きしめた。「このままだと、君を好きになる」信じられない表情の彩。 しばらくして、杏奈が帰国。それまで嫌いだったはずのペアルックを買った慶に悲しみをぶつける。慶は杏奈に「お前にはバレエの夢があるが、彩には何もない。俺のほかには・・・」と告げる。すると杏奈から衝撃の告白が!杏奈の中国での衝撃の事件を知った慶は驚愕する。 一方、彩は隼人(時任勇気)が沖縄に移住しようとしていることを知る。慶とのことでつらそうな彩に、隼人は告げる。「よかったら・・・一緒に行かないか?」 その時だった。彩がお腹の痛みを訴え、道にうずくまってしまう。あやうく流産しそうになった彩。病院に運ばれるが、その状況を見た慶の祖母の薫子(田島令子)は、慶と話をつけると病院を飛び出す。そして杏奈に、実は慶と彩には子供がいることを話してしまう。号泣する杏奈。 そして慶は、彩がひそかに生まれてくる子供と慶への想いを綴った「成長日記」を見つける。そこには、慶に対する彩の最後の決意が記されていた・・・。
彩(瀧本美織)のプリンに対する彩のあふれんばかりの愛情に心を打たれた慶(岐洲匠)は、彩への愛の証として、自らの遺産を全額彩に相続することを決め、契約書をつくる。 そんなときだった。杏奈(石川恋)が彩に「慶から」と偽ってある書類を渡した。それは――「中絶同意書」。 「慶がこんなことを・・・」ショックを受ける彩に、中絶同意書を自分が作った遺産相続の契約書と勘違いしてサインを頼む慶。彩は混乱し、錯乱する。 そして隼人(時任勇気)は、彩が一度流産しかけたことを慶に明かす。「今までの自分はあいつを傷つけてばかりだった。しかし、今は違う!」と自分の気持ちを話す慶。 しかし隼人は、慶が知らない彩の真実を話す。それは、慶が誕生日にもらった高級ペンのこと。そのペンは杏奈からではなく、実は彩からのプレゼントだった。しかも亡き父の形見のネックレスを売って買ったものだった。 彩がどんなときでも自分を想ってくれたことを痛感する慶。彩のもとへと飛び出す!「どうして遺産相続の書類にサインしないのか!」彩に叫ぶ慶。絶対にサインするのを拒絶する彩。 動揺し、慶から逃げるように彩は路上へと飛び出した。その時だった。一台の車が、彩に襲い掛かった。
事故で病院に運び込まれた彩(瀧本美織)の隣で、慶(岐洲匠)は最愛のプリンを失う書類にサインした。彩の想いがつまったあのペンで・・・。 プリンを失った彩。そんな彩の「愛してしまったことを、慶さんに一生、気づかれませんように」と記されたメモを見て、慶は涙する。そして再び彩のもとへ走る。 しかし、隅咲町にいっても彩に会うことはかなわなかった。そして母・美智子(中島唱子)から「もう二度とこの町にはこないでおくれ」と告げられる。 そして慶は仕事で依頼された講演会に臨み、万麗石鹸が「まだ不衛生な時代に少しでも清潔にすることで安心して子供を産み、育て、命を繋いでいくことへの願いがこめられたものだ」と話す慶。 そんな慶のもとに一人の男性がやってくる。男は息子を5年前に事故でなくしていた。「そんな私たちには、一体どんな使命があるのでしょうか?」男の言葉に彩と自分を重ねる慶は再び苦しむ。 そして杏奈(石川恋)が慶に衝撃の告白をする。実は自分が彩に偽の中絶同意書を渡してしまった、と。 さらに彩は、隼人(時任勇気)から「彩は俺が守る」と告げられる。慶と出会ってからの日々を思う彩。とうとう彩は隼人と沖縄に旅立つことを決める。 最愛の彩へ、慶がとった行動とは?彩と慶のふたりの運命の行方は?