長引く避難生活のストレスと親族を亡くした悲しみ。そして、離れない大津波への恐怖心…。東日本大震災をかろうじて生き延びた人々が今、新たな危機に直面している。阪神大震災以降、研究が進んできた「災害時の心のケア」。専門家は、地震から半月が過ぎた今こそ、対策が必要だと訴えている。災害当時の興奮状態から現実に帰った被災者は、被災時の恐怖や将来への不安に襲われるという。避難の時間のほとんどない地震とは違い、今回の大津波では、避難行動によって生死が分かれた。「助けられたのに…」「一人で逃げたことを後悔している」。今回の災害、生き残った人たちに特徴的なのが、自責の言葉だ。番組では、動き出した専門家のカウンセリングに同行。被災者の心の傷の手当てにはどのような取り組みが必要なのか考える。