中央監察医務院。死因不明の急性死、事故死、自殺など、すべての不自然死の検案・解剖を行う機関。ある日、万年人手不足にあえぐその医務院に、松本真央(武井咲)という新人監察医が着任する。彼女はIQ150という才女だが、学生時代から法医学の世界にのめり込んでいたという変わり者。自己紹介もそこそこに、プロファイラーのような洞察力で上司のプライベートをずけずけと分析するなど、初日から先輩職員たちを困惑させる。ただ一人、ベテラン監察医の印田恭子(真矢みき)だけは冷静に、真央を試すような言動を見せるのだった。
都内のアパートで独り暮らしの若い男性・狭川明(柄本時生)の遺体が発見された。第一発見者は偶然訪ねてきた母親の典子(手塚理美)。部屋は密室状態になっており、遺書らしき文章も発見されていたが、遺体は死因不詳の為、印田(真矢みき)は行政解剖を指示する。解剖を担当することになった真央(武井咲)は、作業に没頭するが、死因を特定するような痕跡は見つけることができなかった。
バスの車内で突然意識を失った女性が、救命措置も虚しくそのまま死亡した。亡くなった蒲生弓子(床嶋佳子)という女性は、医大の講師で、印田(真矢みき)とは医学部の同期。1週間ほど前、旧友の通夜で再会したばかりだった。病院での診断では、くも膜下出血が死因とされていたが、改めて検案した結果、遺体にくも膜下出血にみられるはずの特徴的な症状が見当たらなかったことから、監察医務院で詳しく調べることに。真央(武井咲)の指導係が印田に引き継がれたこともあり、真央は印田と共に解剖にあたる。
山中の廃屋でミイラ化した女性の遺体が発見された。遺留品は、着ていた服と靴だけで、身元がわかる物は何ひとつ見つからなかった。指導係の中山(尾美としのり)と共に検案にあたった真央(武井咲)は、より詳しく遺体の状況を調べるため、Ai(死亡時画像診断)にかける。すると、肋骨などから刺されたような痕跡が見つかり、殺人事件の可能性が浮上。司法解剖に切り替えられる。
大物政治家・友部理一郎(浜田晃)が亡くなり、印田(真矢みき)と真央(武井咲)は検案のために友部家を訪れる。死因不詳のため、屋敷(佐々木蔵之介)たち刑事もその場に居合わせていた。友部の妻・葵(木野花)によると、理一郎は気分が悪いと言って横になった後、ちょっと目を離している間に呼吸が止まっていたという。しかし、葵は大物代議士である夫が、見知らぬ救急隊員や医者に介抱されることを嫌い、救急車を呼ばなかったらしい。
東京拘置所に収監されている死刑囚・小杉(橋爪功)のもとに印田(真矢みき)が現れたと知った真央(武井咲)は、訪問の意図を問いただす。印田いわく、「3人の男を殺したのは、すべて真央のためだった」と小杉が言っていたというが…。そんな中、監察医務院で遺体の解剖中に、胃から漏れ出した青酸ガスによる中毒事故が発生。解剖とその補佐にあたっていた岩松、中山、保坂の3人が緊急搬送されてしまう。
真央(武井咲)が図書館で小杉(橋爪功)の事件を調べていると、不意に屋敷(佐々木蔵之介)が現れる。屋敷は、真央が度々、拘置所の小杉と面会していることを知っており、8年前に自首してきた小杉を最初に取り調べたのは自分だと告げる。当時、小杉が何らかの目的を持って3人の男を殺害したとの心証を持ったが、動機の解明には至らなかったという。いっぽう、真央は8年前に突然、音信不通だった母から連絡を受け、留学先から日本に戻って会う約束をしたものの、対面するはずだった日、母が“不詳の転落死”を遂げたと語る。
屋敷(佐々木蔵之介)が印田(真矢みき)に、真央(武井咲)が日本に帰ってきた理由を「あんたの嘘を暴くためや」と語っているさなか、真央も2人の近くまで来ていた。その脳裏に浮かぶのは、母・夏子(霧島れいか)と会う約束をした8年前のこと。初めて会った母の死顔…。その検案を担当したのが印田だった。真央は決意を秘めた表情で、「母の転落死は、私が必ず解明します」と2人に告げるのだった。