レコード会社の宣伝部で働く直は、ある夜、美しいピアノの調べに導かれて、会社の屋上まで来る。聴き入る直の目に、涙がにじむ。そんな直にディレクターの浩志が冷ややかな目を向ける。それは無名のピアニスト・ゼノの曲「青の月」。音楽は商品だ、と言いきる直と、音楽は想いだ、と反発する浩志との運命的な出会いだった。 二人を出会わせた「青の月」がいつしか、二人の心を結びつけていく。一年後、直は浩志に誘われて、新しいレコード会社を立ち上げると、ゼノをデビューさせる。