九十九夜町、早朝の目抜き通りで祝左右馬(鈴鹿央士)と浦部鹿乃子(松本穂香)が駅に向かっている。汽車に乗ってお出かけとはしゃぐ鹿乃子に、左右馬は、“家賃を払えず、朝だけど夜逃げをしているだけ”と教えた。 そんな時、左右馬が不審な男に気づき、鹿乃子の“嘘(うそ)を聞き分ける能力”で置引を暴く。男は逃げるが、居合わせた女性に足を引っ掛けられて転び、周囲の人たちに取り押さえられる。置引犯に足を掛けた女性は左右馬の知り合いで、端崎馨(味方良介)の姉・雅(北乃きい)だった。 左右馬たちが夜逃げ中だと知った雅は、取材旅行に同行しないかと2人を誘う。雅が『魔境探報』という怪談雑誌の記者と聞いた鹿乃子は怯え、左右馬も断ろうとするが、今月分の家賃を報酬にすると言う雅に、左右馬が即座に快諾した。 雅が取材するのは「人形屋敷」と呼ばれる綾尾家。綾尾家には、生まれつき体の弱かった一人娘の成長を祈願し、娘の成長に合わせて作った人形を娘と同様に育てるという変わった風習があった。屋敷は現在、主人夫妻が海難事故で亡くなり、一人娘の品子(片岡凜)が継いでいる。品子の姿はまるで人形のようで、妙な噂(うわさ)もつきまとっていた。 そんな中、現地に到着した左右馬ら一行を柴田(佐戸井けん太)が案内する。柴田によると、女中のイネ(松浦りょう)が、屋敷の「人形部屋」をのぞくと、誰かの死体を発見。イネは慌てて柴田の家に飛び込んできたが、柴田が刑事の寺山清一(正名僕蔵)とその部屋へ行くと死体だと思われていたのは人形で、その後イネが岩場に落ちて死んでしまったという・・・。事件の真相を突き止めるため、左右馬、鹿乃子、雅が品子と会うと・・・。