愛媛から上京してきた永尾完治(織田裕二)に、想いを寄せる同僚の赤名リカ(鈴木保奈美)。しかし完治は高校時代の同級生の関口さとみ(有森也実)を想っていました。そしてもう一人の同級生、三上健一(江口洋介)が街で偶然出会ったリカを、同窓会に連れて来たことから、4人は交流を深めます。 完治と三上にとってさとみはマドンナ的存在でした。けれど、それぞれに遠慮して3人の関係は曖昧なまま。当のさとみは、三上の女グセの悪さに辟易し、冷たい視線を送ります。しかし「それでも三上くんを嫌いになれなかった」と言うのです。そんなさとみをからかうように三上は強引にキス。運悪く居合わせた完治とリカは、2人のキスを目撃してしまいます。
三上のキスがいつものおふざけだと知った完治は、さとみに告白します。しかしさとみはあのキスで三上をより一層意識してしまい、二人の間で揺れていました。 口論からリカを傷つけてしまった完治はお詫びに食事を約束しますが、さとみからの連絡が入りそちらへ行ってしまいます。そこでさとみの心は三上に向いていることを知った完治は、告白を取り消しリカの元へ急ぐのでした。 雨の中、何時間も待ち続けたリカは完治が現れると笑顔を見せますが、完治に寄りかかり「もう電池切れ。一緒にいたいはずなのにな」と言い残して帰っていきます。
リカが訪れたバーで、三上が女の子といるところに出くわした完治は、三上にさとみの気持ちを伝えます。すると三上から「今度会う時は、もう今までの俺じゃないから」と告げられ、呆然とする完治。身を引く覚悟を決めた完治でしたが、その展開に動揺を隠せませんでした。 そして三上はさとみを呼び出し、アドレス帳を燃やして見せます。「これでお前だけだ」と抱き寄せ、二人は結ばれたのです。 一方、リカは完治のことを侮辱したという理由で同僚と揉めてしまいます。完治が励すと、突然「かんち、セックスしよう」と持ち掛けるのです。
完治は、三上と過ごすさとみを間近で見てようやく安堵すると、さとみへの想いを絶ち切ります。しかしさとみは完治の様子が気になり、三上はそれを見抜くのでした。リカとのことを聞かれた完治は、一晩を共にした照れ隠しで「俺たちは何でもない」と答え、リカを傷つけます。 リカは出会った日から今日までのこと忘れようと言い残し、翌日から出張に行ってしまいます。残された完治はようやくリカへの気持ちに気付くのでした。そしてリカが出張から戻ってくると、二人はようやく結ばれました。
無事に結ばれたリカと完治は、温泉に行く計画に三上とさとみも誘います。そこで三上は、嫉妬していたのだと素直に認め、さとみと仲直りします。 けれど、さとみの部屋に三上を訪ねて女の子が押しかけてきました。不安になったさとみは三上の通う大学へ向かいます。そこで同じクラスの長崎尚子(千堂あきほ)と親しそうにする三上を目撃。ショックを受けて帰っていくさとみは、完治に電話をかけます。 その日は完治の誕生日で、買い物をしていたリカは二人が会っているのを見かけます。そして完治の帰宅を待つのでした。帰ってきた完治とろうそくを吹き消すと、「今日は仕事で遅くなったんだ、ごめん」と嘘をついた完治。怒ったリカは、部屋を飛び出します。
さとみが盲腸で入院したという連絡を受け、リカと完治は二人でお見舞いに行くことに。そこに尚子が現れ、自分は両親に決められた人と婚約しているから、と三上との関係を否定します。それを聞いたさとみは安堵し、二人は想いを確かめ合います。 三上は長崎と二人で飲みに行き、病室でのことを詫び、感謝します。そこで長崎は「本当は親が決めた相手と結婚するなんてイヤなの」と泣き出し、三上はそれを抱きとめてしまいます。そんな二人を、さとみが目撃してしまいます。電話を受けた完治はさとみを探しに出るのでした。
完治はさとみからの連絡で出て行ってしまったことをリカに詫び、リカはその代わりに愛媛に連れて行ってほしいとねだります。愛媛に一緒に行くことで、心の距離を縮めたいと思ったのです。 完治は三上を呼び出しさとみがショックを受けていることを伝えますが、開き直った態度の三上に腹を立て、殴り合いのケンカに……。さとみはリカを呼び出し、三上とは別れることを報告します。それを知ったリカは焦り、愛媛旅行を強行しようとするのでした。 しかし飲みつぶれている三上に遭遇して、さとみはもっと落ち込んでいると悟ったリカは、完治に慰めに行くよう言うのでした。
リカの中に完治への違和感が芽生えますが、からかって誤魔化すことで淋しさを隠してしまいます。 そんな中、リカがかつて希望していた海外勤務の話が舞い込みます。そして友人の結婚式にさとみと参加した完治は、さとみを強く意識するのでした。 三上のことで迷惑をかけたからと、完治とリカを食事に誘うさとみですが、完治はそれをリカに言いだせませんでした。逆にリカも海外勤務のことを言いだせません。そうして完治とリカはすれ違っていくのでした。
海外行きを知った完治は、リカの愛に応えられず引き留めることができません。それがリカにとっては不安でした。さとみと二人で会いたがった完治の気持ちを確かめるのが怖くて、海外行きを止めてほしいと期待していたのです。 完治とさとみは、これまで抱いていた恋心がまた大きくなっていくのを感じながら、必死にそれをねじ伏せようとしていました。 それでもリカは完治を想う気持ちを正面からぶつけてきます。完治はさとみへの未練と、リカの愛を受け止める自信が持てず、リカの気持ちに応えることができません。三上にはその気持ちを全部リカに伝えろと言われますが、その夜、完治の家にさとみがやってくるのでした。
完治は約束の時間に行けず、そのままさとみの気持ちを受け止めてしまいます。翌日、会社で会ったリカは完治を無視し、冷たい視線を投げかけるのです。 さとみとのことや、リカへの気持ち、完治は自分の想いを伝えたいとリカに持ち掛けますが、何を言われるのかわかっているリカは聞く耳を持ちません。リカの家までやってきた完治はようやく別れを切り出しますが、リカはそれを認めませんでした。 そしてリカはロス行きを断って、行方をくらませてしまいます。部長からその知らせを聞いた完治は、リカとの約束を思い出し愛媛に探しに行き、完治の母校で再会するのでした。
母校で再会し、完治の生まれた町を散歩する二人。リカは「完治が来なければそのまま行く」と言って、完治の気持ちを確認しようとします。悩み抜いた完治が駅へ急ぐも、そこにはハンカチだけが残っていて、「バイバイ、かんち」と書かれていたのです。 リカはロスへ行った後、半年で会社を辞め三年間、音信不通でした。完治とさとみは結婚し、二人で三上の結婚式に参列。三上は大学時代のクラスメイト、長崎尚子と結ばれます。その帰り道に偶然リカと完治は再会し、二人だけの同窓会をして、ようやく別々の道を歩き出したのでした。 家の電話や会社の電話しか連絡手段のない時代、そのせいですれ違ったり、待ちぼうけしたりする恋愛模様がリアルに描かれた本作。リアルタイムで見ていた世代には懐かしく、現代の若者には新鮮に映ったことでしょう。今回の再放送を機に改めて観直してみてはいかがでしょう。