天正14年(1586)、上洛した家康は秀吉の実弟・秀長の屋敷に落ち着きます。その夜、秀吉が忍びで訪れて、二人は義兄弟の杯を交わしました。家康はざっくばらんに天下を憂える秀吉の言葉に心を動かされ、秀吉の陣羽織がほしい、あなたに二度と戦はさせぬと告げます。すかさず秀吉は、それを諸侯列座の席で言ってくれと頼みます。大坂城での対面の場で家康は素直に大芝居を打ち、列座諸侯の間に感動の渦を巻き起こしました。