夏休みが終わり新しい学期が始まった。新学期を迎えることに、新しい時への期待感をふくらませる。そんな中でも浩之とあかりは二人で登校する。長い始業式が終わりホームルームでの話題は席替え。あかりの夢は浩之の横に座ることだが…。
人気バンド“Childish An Hour”のコンサートが開かれることを知ったあかりたちはみんなで行きたいと思うのだったが、チケットは入手困難。そんな中、雅史が2枚のチケットを入手したが…。
ある日、浩之は中庭で掃除中にかがんでいた女生徒とぶつかった。彼女は魔術の材料のとかげのしっぽを探していると言うので一緒に探し、ようやく見つけ出す。彼女は大財閥の来栖川グループ会長の孫娘で先輩の来栖川芹香。次の日、浩之は彼女から黒い本を渡され、オカルト研究会を見学に来ないかと誘われるが…。
格闘技同好会を作りたいと懸命に部員の募集活動を続ける松原葵。その熱意に心動かされ、練習に参加する浩之。葵の夢は総合格闘技戦エクストリームへの参戦。そして憧れの先輩であり、目標とし尊敬する選手の来栖川綾香に近づくこと。そんな葵を空手部へ復帰させようと説得する坂下。そこに綾香が割って入って…。
今日はクラス対抗の体育祭。絶対優勝!と萌える志保をよそに、いつものようにやる気のない浩之。志保達のA組リードで午前の部が終了。あかりの手作り弁当でランチタイム。そして午後の部。400M走に出場していた浩之が1位をゲット。あかりたちのクラスも激しく追い上げる…!
ある朝、浩之は新聞配達に励む少女を見かけた。彼女の名前は雛山理緒。以前から浩之にほのかな想いを抱いている2年E組の女の子だ。弟の誕生日プレゼントを購入するために懸命に働く彼女。そんな理緒のために、一緒にプレゼントを選ぶことを提案する浩之。憧れの人と肩を並べて歩く。理緒にはそれで十分だった…。
超能力者として生まれ、人の不幸さえも予知してしまい、それが原因で心を閉ざしてしまった少女、姫川琴音。本当は心優しい1年生の彼女が、いつも遠くから雅史を見つめている。琴音の気持ちに気づいたあかりが彼女の家を訪ねる。自分の能力が雅史を不幸にしたらと悩む彼女を励まし説得するあかり。琴音は勇気を出して…。
志保たち仲良し三人があかりの家に集まり、中間試験に向けての勉強会。だが雅史は急用、志保は急遽風邪でダウン。あかりと浩之の二人だけの勉強会になってしまう。あかりの部屋に二人だけのおだやかな時間が流れる。勉強の合間、あかりは浩之との懐かしい思いで写真を手に取って語り出す。浩之はそんなあかりを見て…。
秋の大イベント、学校の文化祭まであと3日! あかりたちも、その準備に追われていた。2年B組の出し物は喫茶店。ところが々出し物のクラスに対抗しようとクラスメイトたちは委員長の智子に無理難題を言い出す…。
学校にメイドロボがやってきた。彼女の名前はHMX-12マルチ。来栖川エレクトロニクスが開発中のプロトタイプ・ロボットで、データの収集と最終テストを兼ねていた。マルチのひたむきな姿勢に好感を持つあかりや浩之。最終テストでHMX-13セリオとの性能比較に負ければデータを消去されるという運命に浩之は…。
マルチに残された試用期間も残り僅か。そんなマルチに楽しい思い出を残して上げようと料理を教えたり、プレゼントを買ってあげたりのあかりと浩之。そして迎えた最終日、誰もいない校舎で最後のモップがけを終わらせたマルチを浩之が待っていた。彼女だけの卒業式。浩之たちは手作りの卒業証書を授与する。そして…。
季節は冬。志保は早速パーティを企画。そしてパーティ会場は中学時代に志保が浩之や雅史と知り合った思い出のお店に決定する。参加メンバーも決まり、いよいよ買い出しなのだが、志保の様子が少し変だった。一緒に行こうと声を掛けたあかりに、なぜかつれない返事。次の日曜、志保は浩之と二人きりで買い物に出かけて…。
浩之と志保が二人で過ごしていたことを知ったあかりは、パーティー前にダウンしてしまう…そんなあかりを志保が見舞うが、あかりはそこで志保に切り出した。「浩之ちゃんのこと、好き?」「私は…」
高校三年生の春をむかえた浩之とあかり。校内では、サッカーの有望選手として注目される雅史の新聞記事が話題になっていた。浩之は、ふとその新聞に載っている広告欄を見て…。
一年ぶりに再会した浩之とマルチ。浩之は長瀬主任と綾香に、マルチが再びやって来たいきさつを聞く。浩之は、マルチを連れて学校内の思い出の場所をたどって行ったのだった。
マルチに掃除の楽しさを思い出してもらおうと、廊下のモップがけをさせる浩之。そして、マルチにもっと楽しさを教えたいと思い、浩之とあかりはマルチを誘い遊園地へ行くことになって…。
エクストリームファイトの大会に向け練習に打ち込む葵と、マネージャーの琴音。綾香はそんな彼女たちを合宿に招待する。浩之、あかり、マルチたちも一緒に綾香の別荘へ向かうことになり…。
エクストリームファイトの日本決勝戦を控え、意気込む葵たち。しかし、マルチは少し浮かない顔。大会当日、優勝候補の綾香、坂下、そして葵は、リングの内と外の両方で火花を散らしていた。
プロサッカーチームの入団テストのため、雅史は神戸に行くことに。浩之はマルチを連れて雅史の応援に行くことを思い立つ。初めて新幹線に乗り、無邪気にはしゃぐマルチだったが…。
念願の夢を叶えた葵。その瞬間、周囲を取り巻く環境は一変し、目立たない存在だった彼女は一躍注目の的になる。そんな彼女を支え続けていた琴音は、心の隙間を埋めようと思って、ある決意をする。
あかりに誘われて浩之は、来栖大学のオープンキャンパスに向かった。そこの大学で助教授を努める長瀬主任の説明会に出席する浩之たち。その頃、マルチは大学の研究室で出会ったフィールというメイドロボと話をしていた。
志保と二人で旅行に出かけていたあかり。受験に御利益のある降山神社まで来たあかりは、偶然にも藍原の墓所までやってきた浩之たちと出くわす。だが、彼の顔を見た途端、あかりはなぜか逃げるように去っていってしまう。
先日の旅行以来、気持ちがすれ違ったままの浩之とあかり。そんな中、レミィはクリスマスパーティーを企画していた。大切な人に幸せになってもらいたいという一途な思いから、レミィはある決心をするのだが…。
それぞれの夢へと進む仲間たち。自分だけが取り残されているような空しさ、そして好きな人との心の絆にも自信を持てないあかり。そんな危うい彼女の様子に心を揺り動かされた雅史は、秘めていた思いを言葉にする。
目覚めても「自分」を見失ったままの胸の中は、うつろなまま。壊れそうな心を抱えて、マルチは姿を消してしまう。その知らせを受けた浩之たちは、彼女の行方を求めて街中を駆ける。雨の中をさまよっていた彼女がやがて向かった先は、大切な思い出の場所だった。
大切な人たちとの、大切な思い。 居場所を求めて、わかり合いたくて、答えを探して迷った彼女たち。握った手の温もりが、確かな安らぎを伝え、未来へと歩む勇気を呼び起こす。もう一度、再会する日を夢見て。