蒲田操車場殺人事件の捜査は難航していた。大量の返り血を浴びているはずの白のタートルも、依然として見つからないままだった。 白タートルの処分に困った和賀(中居正広)は、そのセーターをはさみで細かく刻んで紙袋に入れ、焼却炉で焼いて欲しいと元恋人の玲子(佐藤仁美)に頼む。一方あさみ(松雪泰子)は、発声練習をしに行った公園で出逢った男に見覚えのあるような気がしたが、気のせいかとすぐに忘れていた。そして帰宅すると25年前に自分を捨てた母親が死んだという知らせが届いていた…。 一方「カメダ」という地域が東北にあることを突き止めた今西(渡辺謙)は早速、秋田県・羽後亀田へと捜査へ向かう。しかし現地では「黒ずくめの男」が事件の2~3日前にうろついていたという情報を得たもののそれ以上の手がかりは掴めず、得体の知れない嫌な予感に包まれていた。 和賀はあの夜自分を見た女が誰なのかを知るために、海沿いの公園で女を待った。そこに現れた女が劇団響の女優であることをつかんだまでは良かったが、偶然から女は「あの夜に蒲田でぶつかったわよね?」と言い出した。和賀は必死にとぼけたが、心の動揺は大きかった。 その女・成瀬あさみにさらなる悲劇が降りかかる。劇団の主宰麻生譲に呼び出され、主役降板を言い渡されたのだ。ショックのあさみは酔いつぶれるしかなかったが、そこに和賀が現れた。 和賀は、彼女を家まで送る。あさみは殺人現場近くで自分の顔を見た唯一の人物である。和賀は殺意を持ったが、眠り込むあさみの目からこぼれる涙を見て、その場を去った。 気落ちして蒲田西署に