三厨朝日(山下智久)は、海辺の街の写真館に勤めるカメラマン。ある日、地元の教会で挙式する千代原夏希(香里奈)と古山幸太(福士誠治)を撮影していると、式の途中で古山が逃げ出す、というハプニングが起こった。突然のことに、呆然とするしかない夏希。しかし朝日は、そんな夏希の姿も撮影した。驚く夏希に、ふたりの一日を写真に収めるのが自分の仕事だ、と答える朝日。夏希は朝日の横っ腹にボディーブローをお見舞いする。 別の日、谷山波奈江(戸田恵梨香)は、砂浜で寝そべる朝日の横っ腹のアザを見つけ指でつつく。朝日が、結婚式で男に逃げられた不幸な女に殴られたと説明すると、波奈江は、10年間好きな男に相手にされない自分とどっちが不幸だと思うか、などとからむ。 その後、朝日と波奈江は、下嶋賢二(高橋克典)が営むカフェ&バー「港区」にやってくる。ビールを飲みながら他愛もない会話をするうち、話題は賢二の妻で出産を控えた下嶋勢津子(板谷由夏)の話に。毎夏、勢津子が切り盛りする海の家「青山」に行くのが朝日らの楽しみだったが、賢二から今年は難しそうだと聞かされる。 そんな夜、朝日は砂浜にたたずみながら、一倉香澄(長澤まさみ)のことを思っていた。香澄は朝日の恋人だったが、3年前、突然、姿を消したのだ。以来、香澄のことを考えない日は一日としてなかった。友人の矢井野孝至(勝地涼)からも、あきらめろと言われるが、忘れることができず…。