1981年、1本のイギリス映画が公開された。
オリンピックに出場した実在のランナーたちをモデルに、彼らの周囲との葛藤や自己との闘いを格調高く描いたヒューマンドラマ。
映画の名は『炎のランナー』。映画は大ヒットとなり、アカデミー賞4部門に輝いた。
オリジナル作曲賞を受賞したテーマ曲もヒットし、ビルボードのシングル、アルバムチャートでそれぞれNo.1を獲得。
この曲を書いたのは、ギリシャ生まれの音楽家、ヴァンゲリス。以後、『ブレードランナー』や『南極物語』など、数々の名作で忘れがたい音楽を送り出している。
作曲からアレンジ、演奏までをたった1人で行う彼は、シンセサイザー音楽の旗手として、一部のファンの間では以前から大きな人気を集めていた。
やがて映像作品の音楽を手がけるようになり、ついにこの映画で世界的な人気と名声を得ることになったヴァンゲリス。
名画と名作曲家は、いつ、どのように出会ったのか…
そして、彼のサウンドづくりの実態は…
番組では、『炎のランナー』の監督ヒュー・ハドソンや、ヴァンゲリスのレコーディングをサポートしたエンジニアのラファエル・プレストンらを訪ね、名曲誕生の経緯を探っていく。