世界中で広く歌われ、特にアメリカでは「第二の国家」と呼ばれるほど親しまれているゴスペルソング「アメイジング・グレイス」。
「グレイス(神の恵み)」を讃えるこの曲の歌詞は、18世紀にイギリスの牧師、ジョン・ニュートンによって書かれた。
ジョンは元々、奴隷売買を行なう商船の船乗りだったが、ある時、激しい嵐に遭い、遭難しかけた。必死の思いで神に祈った彼は、奇跡的に生き永らえることができたという。以後改心し、牧師となったジョンは、神の恵みを説くために数多くの詞を書いた。
そのひとつが「アメイジング・グレイス」だった。
いつしか美しいメロディがつき、やがて、世界中で歌われるようになったこの曲。
古くは、ゴスペルシンガーのマヘリア・ジャクソン、そして、70年代以降もジュディ・コリンズやアレサ・フランクリンなど、さまざまな有名歌手によってレコーディングが行なわれている。
番組では、ジョン・ニュートンが歌詞を書いたイギリスのオルニーをはじめ、「アメイジング・グレイス」ゆかりの場所や人々を訪ね、曲の誕生や伝播のようすを探っていく。