世界中に多くのファンを持つギタリスト、カルロス・サンタナ。
彼の代表作として知られるのが、アルバム『アミーゴ』(1976年リリース)に収められた「哀愁のヨーロッパ」だ。
カルロスの率いるバンド「サンタナ」を見出したのは、伝説のプロモーター、ビル・グレアム。
1960年代後半、ビルはサンフランシスコにライブハウス「フィルモア」をつくり、数多くのミュージシャンを世に出した。
まだローカルバンドだったサンタナをウッドストック・フェスティバル(1969年)に出場させ、一躍人気バンドに押し上げたのも、ビルだった。
アルバム『アミーゴ』以前のカルロスは、ジャズや宗教に傾倒し、よりスピリチュアルで崇高な音楽をめざしていた。『アミーゴ』の制作に加わったビルは、この作品ではデビュー当時のラテン色が強く、パッショネートなサウンドに回帰するよう、カルロスたちを説得。
その結果、『アミーゴ』は、初期のサンタナらしさに溢れたポップなアルバムとなった。
番組では、サンタナとビルが出会ったサンフランシスコを取材。
この曲の共作者であるキーボード奏者のトム・コスターや当時のバンドメンバーでパーカッショニストのアルマンド・ぺラサらを訪ね、名曲が生まれた経緯を探っていく。