お母さんに会いたい…。それが故郷を離れて家族のために働く幼い兄妹の願いだった。フィリピン・ルソン島の市場でビニール袋を売り歩く10歳の兄と8歳の妹。ムスリムの少ない地で差別や偏見にも耐え、わずかな稼ぎを数えては家族に仕送りする毎日。故郷は1300キロ離れたミンダナオ島。宗教を巡る紛争が絶えず、貧しい暮らしの大家族。そしてようやく船代をためた兄妹は久々に帰った故郷でどうにもならない現実に直面する…。