東京の高級住宅地、広尾にある豪邸・雨宮家。 この家の美しく華麗な主婦、麗美(高岡早紀)は、新しく家政婦協会から派遣されてきた花村幸子(福田麻由子)を笑顔で迎え入れた。 「――雨宮麗美、28歳です」 その言葉に、幸子は一瞬戸惑った。彼女は20代には見えなかったからだ。 冗談よと艶然と微笑む麗美。幸子は、こんな裕福な家に住み込みで働ける幸運に胸を高鳴らせていた。 麗美の夫・武士(小田井涼平)は、元々麗美の祖父から継いだ麻布のクリニックを経営する外科医。ハンサムでお洒落で自慢の夫であり父だった。 そして、二卵性双生児である梨花(田辺桃子)と結花(山口まゆ)の姉妹。 姉の梨花はまるでフランス人形のような華やかさを、妹の結花は日本人形のような慎ましさを持った、太陽と月のような美しい姉妹だった。 性格も全くの真逆で、姉の梨花は女王様のように気が強く、幸子のこともまるで家来のように扱う。大人にも甘え上手で積極的な梨花は、武士のお気に入りだった。 逆に、妹の結花は物静かで、大人しく内向的な性格だ。いつも姉の側に控え、姉の言うことに従っていた。 2人の家庭教師の宗像(浅香航大)はすらっと背の高い大学医学部の学生で、2人はどうやら彼に憧れを抱いているようだ。 英会話の先生の千尋(阿部純子)は明るい美人で、歳の近い幸子とはすぐに仲良くなった。 幸子が雨宮家になじみ始めたある日のこと。 結婚記念日のその日、麗美は「今日は私が作るわ」とキッチンに立った。 麗美の得意料理とは、ミートソース。上機嫌で鍋をかき混ぜていた麗美だったが、あることをきっかけにその表情が豹変する――。 そう、麗美には隠された哀しく激しい素顔があるのだった…。 どこから見ても完璧な家族…だった雨宮家が、一気に壊れ始める。 愛憎――嫉妬――狂気――そして…殺意。 美しい仮面に隠された、おぞましい感情。 そして巻き起こる、哀しい愛の惨劇! 最恐の純愛モンスター「雨宮リカ」はいかにして生まれたのか―― 衝撃のエピソードゼロ、開幕!