深瀬和久(藤原竜也)は、冴えない男だ。有名大学を卒業しながらも、地味でつまらないほど普通の人生を送ってきた。唯一の彼の取り柄は、美味しいコーヒーを淹れること。そしてその度に彼の頭をよぎるのは、たった一人の親友・広沢由樹(小池徹平)を失ったことだった。それは10年前、大学のゼミ仲間5人とのスノボ旅行中に起きた悲しい事件、それは――。 いつもの仕事帰り、深瀬は行きつけのコーヒー店へ寄ると、そこには懇意にしてくれる乾恭子(YOU)と圭介(バッファロー吾郎A)夫婦の、いつもと変わらない笑顔があった。そんな恭子の計らいにより、深瀬は越智美穂子(戸田恵梨香)という女性と運命的に出会う。 頼りない自分にも明るく接する彼女の姿に、いつしか強く惹かれてゆく深瀬。そんな深瀬の自宅に「人殺し」という張り紙がされていた。驚きを隠せない深瀬だったが、そんなとき深瀬は、10年前に起きた広沢の事故死の秘密を墓場まで持っていくという、ゼミ仲間との約束を思い出していた。 そんなある日、深瀬が通った大学の、教授の退官祝賀会を知らせる手紙が届いた。広沢のことを思い出すのを恐れながらも会場へ向かった深瀬は、10年前の旅行メンバーである、社会科教師の浅見康介(玉森裕太)や、県議会議員秘書の村井隆明(三浦貴大)、村井の妹・明日香(門脇麦)の夫で大手商社マンの谷原康生(市原隼人)らゼミ仲間と再会する。また、その会場には広沢の母・昌子(片平なぎさ)も訪れていた。広沢の死後、8年ぶりに会う昌子に対し気まずさを覚える深瀬たち。一方、そんな深瀬たちを遠巻きに見つめる一人の男、ジャ
深瀬和久(藤原竜也)が冴えない日常生活に明るい兆しを感じていた矢先、恋人になったばかりの越智美穂子(戸田恵梨香)の元に、「深瀬和久は人殺しだ」と書かれた告発文が届いた。驚きを隠せない深瀬だが、思い出したことはただひとつ、唯一の親友・広沢由樹を失ったあの出来事だった。時は過去へとリバースし、悲しい事件が起きる2007年の冬―。 大学生活の思い出作りとして、ゼミ仲間である浅見康介(玉森裕太)、谷原康生(市原隼人)、広沢由樹(小池徹平)の4名で車でスノボ旅行へと向かった深瀬。宿泊先は、妹の明日香(門脇麦)と共に遅れて参加するという、同じくゼミ仲間の村井隆明(三浦貴大)の別荘だ。夕食の時間、飲酒を拒否する深瀬と広沢の態度にへそを曲げる谷原。責められる深瀬のことを気遣った広沢はビールを手にする。 そんな中、益々吹雪が強まってきたころ、村井から近くの駅まで迎えに来てほしいと連絡が入る。天候によりタクシーも捕まらないという。飲酒をしてしまったため、誰が村井を迎えに行くかの言い合いで険悪な空気が流れる中、気を利かせて手を上げたのは、酒をあまり口にしていなかった広沢だった。深瀬は、何もできない自分を悔やみながらも、広沢を心配し別荘から送り出すのだが…。
10年前の事件について恋人・美穂子(戸田恵梨香)に“秘密”を打ち明けた深瀬(藤原竜也)だったが、そのことがきっかけで2人の間に距離ができてしまった。潤いのある生活が突然覆り、深瀬は心のダメージを隠せない。 そんな中、浅見(玉森裕太)、村井(三浦貴大)、谷原(市原隼人)らゼミ仲間の元にも何者かから告発文が届く。あらためて広沢(小池徹平)の事件のことを思い出し、お互いを探りはじめる4人だったが、「昔の話」だと言い、どこか呑気な谷原に不快な思いを抱く深瀬であった。 一方、そんな彼らに接触を続けるジャーナリストの小笠原(武田鉄矢)は、10年前の事件について“殺人”の可能性を疑っていた。そして「本当に隠していることはない?」と執拗につきまとう小笠原に対し、深瀬はようやく重い口を開きはじめるが…。
谷原(市原隼人)が突然、何者かにホームから突き落とされた。相変わらず美穂子(戸田恵梨香)とのぎこちない関係が続く深瀬(藤原竜也)をはじめ、生徒の飲酒問題により、その親の圧力が影響し高校での立場が危ぶまれる浅見(玉森裕太)、そして、誰にも言えない悲惨な夫婦生活を送っていた村井(三浦貴大)。残された3人は、姿の見えない犯人に日常を脅かされ、気が気でない。また、いつからかうまくいかなくなったそれぞれの人生に葛藤を抱えていた。 ある日、深瀬は浅見に呼び出され、村井と3人で集まることに。互いの腹の底をうかがうような会話ばかりが続く中、谷原を突き落とした犯人は、広沢(小池徹平)の事件に関わった自分たち全員を恨む人間だと推測する。そして、3人の頭に浮かんだのは、ある一人の女性だった。 そんな中、意識不明の谷原のそばで憔悴しきっている妻・明日香(門脇麦)の元に、小笠原(武田鉄矢)が現れ…。
深瀬(藤原竜也)は、10年前の事件について浅見(玉森裕太)が村井(三浦貴大)を疑っていることを知る。事件の真相を追っているにも関わらず、当時おこっていたことについて何も知らない自分を情けなく思う深瀬。 そんな中、愛人とのダブル不倫がスクープされてしまった村井。マスコミから身を隠すように向かった先は、深瀬の家だった。突然の村井の訪問に戸惑う深瀬だが、地味な学生時代を過ごした自分とは逆の派手グループにいた村井と過ごすことにより、自分の知らない親友・広沢(小池徹平)の一面を知ることに…。 イメージ ある日、深瀬は行きつけのコーヒー店・クローバーコーヒーの恭子(YOU)から、美穂子(戸田恵梨香)が最近何者かに後をつけられているということを聞く。「次に誰が狙われるかわからない」と言っていたジャーナリスト・小笠原(武田鉄矢)の言葉を思い出し、また、谷原(市原隼人)が狙われた一件もあり、胸騒ぎがする深瀬だが…。
地味ながらも真面目に勤めていた会社が、突然倒産してしまった深瀬(藤原竜也)。職と共に、同僚にコーヒーを振舞う大切な時間も奪われてしまった。10年前の事件について浅見(玉森裕太)と谷原(市原隼人)の隠蔽を疑っていた村井(三浦貴大)が突然行方不明になり、また、相変わらず谷原も意識が回復しないままだ。周りの人間に次々と悪いことが起きていくことに不安な日々を過ごす明日香(門脇麦)だが、広沢(小池徹平)の死について、兄である村井にある疑惑を抱いていた。そして、深瀬に当時の記憶を話し始める。 イメージ そんなある日、久しぶりに美穂子(戸田恵梨香)と顔を合わせる深瀬。ぎこちない会話が続く中、精神的にも疲弊していた美穂子が実家の大阪に帰るかもしれないということを知り、動揺を隠せない。そんな深瀬だが、事件の真相と自分の知らない広沢の素顔に迫るため、謹慎中の浅見と共に広沢の故郷・愛媛へと向かう。ほどなく愛媛へ着くと、広沢の母・昌子(片平なぎさ)と父・忠司(志賀廣太郎)が快く二人を迎え入れてくれるのだが…。
事件の真相を追い愛媛にいた深瀬(藤原竜也)は、広沢(小池徹平)の親友だったという古川(尾上寛之)という男に出会う。自分の知らない広沢の一面を知らされ、また、自身に対しコンプレックスを抱いている古川の姿に自分を重ね、複雑な気持ちを抱く深瀬。そして、広沢の同級生らの協力もあり、かつて彼と付き合っていた女性が東京で働いているという情報を得た深瀬は、その女性を捜すべく愛媛を後にする。 イメージ そんなある日、ようやく意識を取り戻した谷原(市原隼人)の元に浅見(玉森裕太)とともに見舞いに訪れた深瀬。谷原を突き落とした犯人は、自分たちに告発文を送ってきた人間と同一なのではないかと疑う深瀬たちだが、谷原は事故当時の記憶が曖昧だ。また、何かを隠しているかのような態度をとっており…。
ようやく解き明かされた残酷な真実。深瀬(藤原竜也)たちに告発文を送っていたのは、かつて親友の広沢(小池徹平)と付き合っていた女性…美穂子(戸田恵梨香)だった。また、各所で浅見(玉森裕太)、村井(三浦貴大)、谷原(市原隼人)にも接触していたことも判明。“運命の出会い”は、美穂子により企てられた復讐劇だったということを知り、愕然とする深瀬。連絡が取れないまま、冴えない自分に振り向いてくれた美穂子の笑顔ばかりが頭の中を駆け巡る。 イメージ 一方、10年前の事件について、兄である村井に疑惑を抱いている明日香(門脇麦)は、何かを隠しているかのような素振りを見せる村井を問い詰める。そんな中、新たな見解に辿り着いた小笠原(武田鉄矢)は、深瀬を呼び出すが…。