不動産会社で営業を担当する木村瑞帆(伊原六花)は、日々の業務に追われながらも、大口案件のアポが取れるなど、充実した毎日を送っていた。上司の徳島昇一(石井正則)から期待を受けるも、最近誰かの視線を頻繁に感じるようになり、その見えない存在に怯えていた。 実は元恋人から暴力を振るわれ、逃げるために東京へ来たのだった。不安もある中、同僚の樋口麻土香(小西桜子)とその幼なじみ、津坂慎也(佐藤大樹)と3人で食事をするなど穏やかな日常を過ごしていた。ある日仕事を終え、自宅マンションへと歩いていると、突然「瑞帆」と呼び止められる。振り返ると、かつての交際相手、倉島隆(小久保寿人)が立っていた。「やっと見つけた」という隆を見て、恐怖のあまり走って逃げだす瑞帆。人気のない駐車場に逃げ込むが、見つかってしまう。隆はナイフを取り出し、復縁しないなら自分を殺せと迫る。瑞帆は恐怖のあまり衝動的に隆を刺し殺してしまう。我に返り現場から逃げ出す瑞帆。翌日になっても一向に事件が明るみになることはなく、まるで事件は“なかった”かのようだった。「騒ぎにならないなんて、絶対におかしい」不安に駆られる瑞帆だった。そんな中、友人の慎也との関係に変化が-。
木村瑞帆(伊原六花)の前にかつて暴力をふるっていた元恋人・倉島隆(小久保寿人)が突然現れた。瑞穂は復縁を迫る隆を衝動的に刺し殺してしまった。その場から逃げた瑞帆だったが、事件は一向に報道されず、現場の駐車場から隆の遺体はなくなっていた。 会社に出勤する瑞帆だったが、大口顧客である郷田肇(渡邊圭祐)との内見の約束を忘れ、上司の徳島昇一(石井正則)に急かされて、内見先に向かうも接客に身が入らない。「どうして何もなかったことになるの?もしかして隆が生きているから?」―不安を拭えない瑞帆だった。そんな中、瑞帆は津坂慎也(佐藤大樹)から食事に誘われ「放っておけない…傍に居たいって…そう思ったんだ」と告白されるが、「もう恋愛するつもりはない」と断る瑞帆。それでも「一人で抱えてないで、俺に少し分けてよ」と慎也から改めて想いを告げられ、そのやさしさが瑞帆の心に響く。 事件が明るみにならないまま、数年が経ったある日、瑞帆の携帯に一通のショートメッセージが届く。「突然のメールをお許しください」差出人は不明。いたずらかと思い放置する瑞帆だったが、その後矢継ぎ早にメールは届く。「私は全てを知っています」「あの夜の駐車場の件です」―。愕然とする瑞帆。あの悪夢は終わっていなかった-。
津坂瑞帆(伊原六花)は、郷田肇(渡邊圭祐)から語られる三年前の出来事に動揺を隠しきれない。衝動的に元恋人・倉島隆(小久保寿人)を刺し殺してしまったあの夜、郷田は瑞帆の後をつけていたところ、偶然“あの夜”の出来事を目撃していた。現場から去る瑞帆を追った郷田は、隆の遺体が跡形もなく消えたことについては、わからないと話す。郷田は「これは運命なんです」「貴方の犯罪を見たのは、この世にこの僕だけなんです」と、不敵な笑みを浮かべる。自分と一緒に暮らすことを提案し、娘の美玖(大谷日南実)についても、自分がパパになる準備はできていると告げる。郷田の瑞帆への一方的な愛が、瑞帆の心に恐怖を刻んでいく。瑞帆は、夫の津坂慎也(佐藤大樹)や、同僚の樋口麻土香(小西桜子)に悟られないよう、日常生活を過ごしながらも、郷田から一方的に送られ続けてくるメールに追い詰められていく。一方その頃、倉島隆の妻・倉島直美(酒井若菜)は、行方不明となっている夫の足取りを追っていた。どこかで夫が生きていると信じ、隆と繋がりがある人物を一人一人調べている。郷田と直美の行動が瑞帆の運命に新たな波紋を広げていく-
津坂瑞帆(伊原六花)がデスクで仕事をしていると、倉島直美(酒井若菜)という見知らぬ女性から突然電話がかかってくる。直美は行方不明になっている夫・倉島隆(小久保寿人)の足取りを追っており、瑞帆との間に何かがあったのではないかと疑念を抱いていた。直美は、「一緒に探してもらえませんか」と瑞帆に協力を求める。さらに「警察の話では、隆の最後の携帯番号の位置情報は東京だったらしい」と告げられた瑞帆は、罪悪感と直美の必死さに断りきれず、その申し出を受け入れてしまう。 そしてある晩、瑞帆が帰宅すると、リビングでは夫・津坂慎也(佐藤大樹)と郷田肇(渡邊圭祐)が一緒にお酒を飲んでいた。瑞帆の不在中に招かれていた郷田は、笑顔を浮かべながら慎也と談笑していたが、“駐車場”“高校の担任”など隆を連想させるような発言を口にする。 郷田が現れたのは偶然であるはずもなく、瑞帆は恐怖に押しつぶされそうになる。郷田が帰宅した後、瑞帆は恐怖から苛立ち慎也に強く当たってしまう。 翌朝、瑞帆の出勤途中に突然現れた郷田。「瑞帆さんが悪いんですよ」「僕の連絡を無視するから」と迫ってくる郷田を警戒する瑞帆。2人の異様な様子を、同僚の樋口麻土香(小西桜子)が偶然見ていて―
夫・倉島隆(小久保寿人)の行方を追う倉島直美(酒井若菜)が津坂瑞帆(伊原六花)の前に再び現れる。隆の捜索をする中で瑞帆と隆の関係が怪しいと確信を持ち、「やっぱり何か知っているんでしょう?」「答えなさい!」と問い詰める直美。後ろめたさと直美の圧に何も答えることができない瑞帆。そこへ偶然、居合わせた郷田肇(渡邊圭祐)は、同級生を装い「瑞帆」と声をかける。直美の追及から瑞帆をかばうために会話に加わる。郷田が直美の気を引いている隙に、瑞帆はその場から立ち去ってしまう。 かつて隆と付き合っていたことや、別れてからも付きまとわれていたこと、脅されていたこと、隆を刺したこと、全てを直美に話すべきか思い悩む瑞帆。 瑞帆の同僚・樋口麻土香(小西桜子)は、偶然、瑞帆と郷田が話しているところを目撃し、そのただならぬ様子と関係性に疑念を抱いていた。幼馴染で瑞帆の夫・津坂慎也(佐藤大樹)にその状況を伝えようと電話をすると、その日、先に退社したはずの瑞帆が帰宅していないことを告げられる。不審に思った麻土香は直接真相を確かめようと試みる。 一方諦めきれず瑞帆を尾行する直美だったが、そんな時、隆と思われる人物のSNS上の目撃情報を目にする。まさか隆は生きていた?