11歳のデビューから30年にわたってクラシックの最高峰を走り続けているヴァイオリニスト・五嶋みどり。世界中の名だたる指揮者やオーケストラから共演のオファーが後を絶たず、参加したCDがグラミー賞に選ばれるなど、その評価は揺るぎない。 聴く者の心を揺さぶる音は、どうやって生み出されるのか。五嶋がずっと貫いてきたのが【“自分”と向き合う】という考え方だ。 「自分の中にある音、自分がどのようにその音楽に対して反応するかが大切だと思います。外から持ってくるより、自分の中からどうやって出せるのかとか、中には何があるのか、そういうことを考えていく」と語る五嶋は、音楽を通してひたむきに己と対話し続ける。