ぶつかりあって、愛が生まれる

遊川は、これまで40作以上のオリジナルドラマを制作してきた。浮き沈みの激しい業界の中で、25年にわたり第一線を走り続け、次回作がつねに期待される脚本家だ。 遊川は脚本を書く時、登場人物たちの心の内を探ることに最も時間を費やす。それは遊川にとって自分の内と向き合う作業でもある。糧となっているのが、自身の複雑な家庭環境だ。遊川が高校生の頃に父親が蒸発した。その時に感じた貧しさや心の痛み、そうした経験を掘り下げながら、登場人物の思いを考え抜く。「物語は、自分の中にある」という。 さらに遊川は、「人さえ描ければ、物語は動き出す」と口にする。何を食べ、何時に起き、どんな服を着ているのか、ドラマには反映されないようなことまで考え抜き、人物像を浮き彫りにする。「今のドラマは、演出方法が多様化する一方で、安易な方向に走りすぎている。だからこそ、リアルな人間を書く意思を大切にしたい」という。『家政婦のミタ』や『女王の教室』、『さとうきび畑の唄』。奇抜な登場人物たちが話題になる中で、実はその登場人物たちのリアルな心の動きの描写が、見る人たちを引きつけてきた。

日本語
  • Originally Aired September 24, 2022
  • Runtime 48 minutes
  • Network NHK
  • Created May 2, 2023 by
    edwerds
  • Modified May 2, 2023 by
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