平成の絵師、幻の色に挑む 彩色復元師・荒木かおり

平等院鳳凰堂、二条城二の丸御殿、西本願寺御影道・・・。 世界に誇る日本の宝を未来につなげる京都の女性職人、荒木かおり(58)。経年劣化して色褪せた国宝や文化財の色彩をよみがえらせる日本屈指の彩色復元師だ。 彩色復元に臨む時、常に心に留めているのは「色は心 その心を、写す」という信念。 その言葉は、彩色復元の礎を築いた重鎮、父親の川面稜一さんから受け継いだものだ。 図面や資料もまず残っておらず、確かな正解などない彩色復元の世界。そのなかで稜一さんは、モチーフとなる花の詳細から当時の流行、食文化まで細かく調べ上げることを自分に課していた。 「色というものは、その時代の人の心が現れている」。稜一さんは、この言葉を荒木に残し亡くなった。描いた人の気持ち、描かれた時代の気持ちと向き合うことで真実の色に迫れると荒木は考えている。

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  • Originally Aired January 23, 2017
  • Runtime 45 minutes
  • Network NHK
  • Created May 24, 2022 by
    edwerds
  • Modified December 29, 2023 by
    atsumori