日本卓球界をけん引するエース、石川佳純(24)。ロンドンオリンピック、史上初のシングルス4位・団体銀メダル。リオオリンピックでは団体銅メダルと、その功績は輝かしい。石川の武器は、強烈な回転とパワーで打ち抜くフォアドライブ。そして、どんな苦しい状況でも強い精神力で巻き返す「負けず嫌い」な卓球スタイルだ。 だが今、石川はかつてないほどの苦境に立たされている。2017年に行われた日本一を決める大会。4連覇をかけた石川だったが、高校生の平野美宇に惨敗した。背景には、公式ボールの変更がある。ボールの材質がセルロイドからプラスチックに変わり、ボールに回転がかかりづらくなったことで、回転を生かした石川の卓球が通じなかった。 負けず嫌いの石川、今、新たなスタイルに挑み始めた。それは「高速卓球」。ボールが卓球台から上がりきらないうちに早いタイミングで打つ、スピードに重きをおいた卓球だ。スタイルを変えるのは容易ではない。厳しい強化メニューを自らに課し、改革に挑む。