マンションが建った後のある日。アパートの隣に建築されたマンションの最上階に、越後屋姉妹は引っ越して来ていた。銀子は、金子のような完璧な姉に自分はふさわしくないのではないかと思い悩んでいた。通学時にも手をつないで仲良しなきょうとあす姉妹を、自分と姉の関係と比べてみてうらやましく思う銀子。学校でも、商店街でもあすは人気者で、クラスメイトに疎まれている自分とは違うということを思い知らされ、対抗意識を燃やした銀子は、高性能望遠鏡できょうとあすの山田姉妹と自分たち越後屋姉妹がどう違うのかを、一日観察することにした。休日の朝、楽しく笑いながら朝食を摂るきょうとあすを見ながら、自分はそんな風に食事したことが無いとさびしさを感じる銀子だった。 銀子はいつもきちんとしている自分の姉を誇りに思いつつ、あすがうれしそうにだらしないきょうの面倒を見ているのを不思議に思う。夜、両親も姉も帰ってこず一人きりで平気だと強がっていた銀子だったが、結局、強引に二人を自分の家に招待した。頼りない姉がいて大変ねと皮肉る銀子に、あすは姉のためならがんばれる、本当に大変なのはきょうの方だから、自分は姉にとって世界でたった一つのがんばらなくていい場所になりたいと答える。それを聞いて、今まで自分のことしか考えていなかったことに気付いた銀子は、自分が姉のためにできることを考え、深夜、帰宅した金子に「お姉さま、がんばりすぎないで下さい。」と訴えるのだった。自分もあすのようになりたいと思う銀子であった。