パーティーを追放されたばかりの無能な治癒師ラウストの前に、ひとりの少女があらわれた。ナルセーナと名乗った彼女は、ラウストに向けて言った。「お兄さん、私とパーティーを組みませんか?」と。
少年時代のラウストは過酷な日々を送っていた。努力のかいなく〝無能〟の烙印を押され、自信を喪失するラウスト。自暴自棄になって街の外をさまよう彼は、そこである少女と出会い、冒険者を続ける決意をしたのだった。 はたして、その少女の正体とは――。
ラウストを追い出したパーティー「稲妻の剣」のリーダー、マルグルス。遅まきながら追放した治癒師の有能さに気づいた彼は、ラウストをパーティーに再勧誘する。しかし、ラウストは毅然と断るのだった。 次の日、ラウストのもとを訪ねる人影があった――。
ヒュドラの討伐を諦めきれないマルグルス。新たな剣士をパーティーに入れ、性懲りもなくヒュドラに挑む。剣士の腕は凄まじく、徐々にヒュドラを追いつめていく稲妻の剣。しかし、ラウストが駆けつけたとき、ヒュドラの様子に変化が起きる。
マータットの街や迷宮で魔獣関連の異変が頻発するのを危惧したラウストは、冒険者ギルドに対策を講じるように要請する。応対したギルドの上級職員、ハンザムはラウストを相手にしない。それどころか、「怖いのならこの街から出ていけ」と言い放つのだった。