東山天皇の皇子・閑院宮直仁親王の娘で皇室の血を引く公家の娘・五十宮倫子。 京で素直に育ち、人を疑うことのない、純真で優しい性格の持ち主ですが、その一方で芯は強く、利発。 しかし、朝廷と幕府の橋渡しとして、次期将軍である徳川家治と政略結婚をさせられたことで逃れられない運命に翻弄され、倫子の前にはさまざまな試練が立ちふさがるのです。 先代の第9代将軍・徳川家重(とくがわ・いえしげ)が謎の死を遂げ、家治が第10代将軍となり、倫子は将軍正室として男子禁制の大奥へ渡ることになりますが、そんな彼女は京にいた頃からの幼なじみ、久我信通(こが・のぶみち)に好意を寄せていて…。