2010年度の国家予算、92兆円。それは国民が汗水たらして働き収めた税金であり、国民の豚の貯金箱=黄金の豚だ。その税金を不正に使用する輩たちに、型破りなニューヒロイン・芯子(シンコ、篠原涼子)が戦いを挑む――! 堤芯子、37歳。元詐欺師で仮釈放中の芯子は、職もなく行く当てもなく、実家の八百屋に身を寄せる。実家ではぶっきらぼうだが根は優しい家族・気丈な母・啄子(ツエコ、もたいまさこ)と、キャバクラ「年増園」に務める妹みぞれ(山口紗弥加)が芯子を待っていた。 そんなある日、芯子は街で金持ちそうな男・久留米(宇津井健)に出会う。いいカモだと思った瞬間、芯子はあっさり久留米に正体を見破られる。「私から金を奪うのは無理だ」。実は久留米は、会計検査庁の検査官だった。会計検査庁とは、国民が汗水流して収めた血税=国家予算の使い道を調査し追求する国の機関。久留米は芯子のお金をかぎ分ける勘と、嘘を見抜く慧眼を買い、芯子を調査官にスカウトしにきたのだ。
元詐欺師の芯子(篠原涼子)は久留米(宇津井健)にスカウトされ、国民の血税=“黄金の豚”を守る会計検査庁の調査官になる。今回の調査ターゲットはなんと東京警察署。警察署内に機密費の流用疑惑があるというのだ。仮釈放中の身の芯子はパスしようとするが、事情を知らない明珍(生瀬勝久)に無理矢理同行させられ、角松(大泉洋)、金田(桐谷健太)らとともに警察に赴く。 署長らが睨みをきかせるなか、一同は形どおりの調査をして済まそうとする。が、そのとき優(岡田将生)が怪しい領収書を見つける。数枚の領収書の筆跡と紙質が、すべて同じなのだ。持ち帰って調べたところ、やはり領収書は偽造。日付は4年前で総額12万円。その日は宴会が行われたらしく、東京署が機密費から12万円を宴会代に使った疑いが浮上した。優は「これを突破口に、機密費流用の全貌を暴きましょう!」と熱くなるが、前回正義の大活躍をした芯子もさすがに立場が危うく「そのくらい見逃してやったら?」と言い出す。
会計検査庁の調査官・芯子(篠原涼子)への今回の指令は「独立行政法人 国立高度メディカルセンター」を調べること。最先端医療治療における日本一の国立病院だが、久留米(宇津井健)はこの病院が病魔におかされているという。病院に向かった芯子は、病院長の上に君臨する事務局長・国枝と、彼にへつらうスーツ族を目撃する。国枝は財政省事務次官の1回300万円の治療費を研究患者として税金で賄い、移動には病院の高規格救急車を使用、病室は特別な個室を用意するなど便宜を図っていた。それに反発する院長・桜井とのやりとりを見た芯子は「ヤクザの組長の上に若頭がいるようなものか」と不信を募らせる。 芯子は桜井院長に事情を聞き、国枝事務局長が財政省からの天下りであること、利権しか考えていないとの証言を得る。この病院は国民の税金を無駄遣いする、天下りたちの温床だったのだ。しかし桜井院長もまた国の補助金をもらうために、なにより病院で仕事を続けるために国枝には逆らえない状況だとわかる。さらに芯子たちは病院で安い給料で不当に24時間フル稼働させられているレジデント(研修医)たちの姿を目にし、心を痛める。
会計検査庁の調査員・芯子(篠原涼子)の今回のターゲットは、とある地方の河川の護岸工事。国民の税金である地方交付金40億円を使った工事ながら、地元農家から「手抜き工事ではないか」との陳情書が届いたのだ。さっそく芯子らは現地に向かうことになるが、その場所を聞いて角松(大泉洋)は顔色を変える。そこは角松の実家のある村だったのだ。かつて芯子の結婚詐欺に引っかかった角松は、母親に芯子の写真を送っており、結婚詐欺にあったとは言っていなかった。 一向を待っていたのは村長・漆原(半海一晃)による熱烈な接待攻勢だった。スケジュールのほとんどは観光で、調査の時間はごくわずかしかない。「何かがあやしい」と感じる芯子だが、金田(桐谷健太)は「地方の調査ではよくあること」と言う。国の交付金に頼っている地方は、多少のことは目をつぶって欲しいと接待漬けにするのが慣習なのだという。正義感に燃える優(岡田将生)は、威厳を持ちつつ礼を欠かない態度で漆原に「観光はやめてすぐに調査を」と申し出る。そんな優の成長ぶりを金田は頼もしく見つめる。
芯子(篠原涼子)たち特別調査課の面々は、国会への報告書作成でドタバタの日々を送っていた。そんななか資料確認をしていた芯子と優(岡田将生)は、ある小学校の耐震工事費に目をとめる。子どもが60人しかいない小学校なのに、そこは6億円もかけて800人分の教室を改修していた。「あやしい」と踏んだ二人はさっそく小学校へ。人の良さそうな校長の花村(矢崎滋)は二人に、改修は教育管理委員会の会長・錦(日野陽仁)が決定したことだと話す。二人は錦に面会するが「工事は子どもの安全のため」と言われ納得せざるを得ない。が、芯子の鼻は別のものをかぎ当てていた。 それは錦が新事業としてすすめている「のびのび体操」。子どもたちの健康促進を目的とした新しい体操で、立派な出席カードやキャラクター「のびのび君」をあしらった広報用グッズなどが大量に作られていた。さらに錦は関連団体「のびのび体操協会」を設立しようとしていた。こうした団体は政府系の公益法人で、国から多額の補助金が流れ込む。もちろんそれは国民の税金だ。