スカイツリーの麓から大荷物を乗せたバイクで走り出した男、吉本浩二32歳、職業マンガ家。日本一周を始めたばかりの吉本はろくにテントも張れず、広げた日本地図に不安になるばかり。それでも三重まで進み、大学時代の先輩夫婦、佐田と美幸を訪ねた吉本は、マイホームを持ち立派な「お父さんお母さん」となった2人を目の当たりに。泊まっていけばという佐田の誘いを断り、まだ慣れないテントで恵理の写真を見つめる。宇都宮の餃子像の横に佇む恵理。富士山で出会ったおしゃべりなキャンパーにも佐田にも「なんで日本一周?」と聞かれた吉本は、宇都宮で恵理にこう宣言していたのだ。「ぼく、強くなりたくて・・・」翌朝、日差しの中、伊勢志摩の海から吉本のバイクが走りだす!