吾輩は猫である。飼い主はまだない。 人里離れた場所にぽつんとある寺小屋『白玉塾』に赴任してきた女教師の美和(山口紗弥加)はびっくりしていた。子供たちと一緒に白猫が授業を受けていたのだ。 その猫の名は玉之丞といい、前塾長が拾ってきたのだという。皆から愛され幸せな日々を送っていた玉之丞だったが、ある日、江戸の大名に送る意見書と 贈り物が入った箱の中に入り込んでしまい、そのまま箱は飛脚の飛松(田中直樹)の手によって一路江戸へ運ばれてしまう…。 一方、飛脚の飛松もびっくりしていた。寺小屋から預かった江戸宛ての荷物が「にゃあ」と鳴いたのだ。急いで箱を開けると中から白い猫が顔を出した。 美和から大事な荷物だと念を押されていた飛松は、飛脚の意地とばかりにあの手この手で大名に受け取ってもらおうとするが…。