とあるコンサート会場。観客席を埋めつくした満員の女性客の視線の先には傷だらけの愛用のギターを抱え、ラブソングを歌う男がいる。桜庭裕一郎(長瀬智也)23歳。出す曲すべてがヒットチャートの上位にランクイン。女性誌の『抱かれたい男No.1』にランクインする、今最も人気と注目を集めるシンガーソングライターである。 ある日・・・新井家は、あるスターの訪れに騒然となっていた。あの桜庭裕一郎が、末っ子・さくら(竹内結子)の恋人として登場!なんと結婚を許して欲しいと父・真澄(宇津井健)に挨拶にやってきたのだ。“抱かれたい男No.1”を目の当たりに、興奮気味の長女・かえで(秋吉久美子)。男嫌いで通る次女・あずさ(鈴木杏樹)はいぶかしげ・・・。ラジオ局でディレクターをしている三女・さつき(篠原涼子)は、思わず仕事モードと、みなそれぞれぎこちない。だが、そんな緊張の状況の中裕一郎は、さくらへの真剣な思いを真澄に正面から打ち明け、結婚の許しを得ようとしていた。多忙な仕事の合間をぬって交際を重ねてきた日々と思いは、決していい加減なものではないのだ!と。 しかし、真澄は裕一郎が特殊な世界にいる人間であること、さくらにだけは“まとも”な結婚をして欲しいと言うと、「お引き取り下さい」・・・と言い放ったのだった。