傍聴席が隙間なく埋め尽くされた、法廷。 弁護士・華陣あやめ(麻生久美子)は、被告人で虚ろな瞳で呟く。 「……あれは…何のためにおかした罪だったんだろう……?」 こうして、ある“殺人事件”の裁判がはじまった――。 時は巻き戻り1年前―。 静かなる狂気をはらんで、あやめの前に姿を現す源凍也(塩野瑛久)。 「どうしてここに…?」 「あやめを、待ってた」 階段から突き落とされ、血を流す最上陽子(神野三鈴)に目もくれず、あやめにゆっくり詰め寄る凍也。制御不能な“魔物”と化し、憎しみを叫びながら襲い来る凍也に、あやめは涙を流しながら必死に抵抗する。 「謝れ」 「謝ることなんて、一つもない」 「お前のせいだ」 「あなたは誰も愛したことなんてない。なのに、私はあなたを愛してた…!」 そのころ、凍也に激しく殴られ気を失っていた夏音(北香那)は離れで目を覚まし、着の身着のまま名田邸に逃げてきて、凄惨な現場を目の当たりにする。 夫の支配から逃れられない夏音は、割れた鏡の破片を拾うと、切っ先をなんとあやめに向けて――。 本当の《魔物》は誰―? 殺したのは、殺されたのは、愛したのは、誰なのか―――? あやめと凍也の“許されざる愛”の結末は…ついにすべての真相が明かされる!