鍋島家の長男、健一郎(堤真一)に請われて婚約者を装い、同家を訪ねた麦田なつみ(竹内結子)。だが、健一郎は家族で経営する洋食店『キッチンマカロニ』の改装資金を持ち逃げし、家族に白い目で見られている人物だった。なつみを伴っての帰宅でも、健一郎は店の売り上げを盗んで、何処へと姿をくらませてしまう。健一郎を敵対視する次男の勇二郎(江口洋介)は、度重なる健一郎の行動に嫌気がさし、店を畳むと言い出す。兄弟とは何の縁もないなつみだったが、勇二郎のこの発言に猛反対。あっけにとられる兄弟たちの視線を後に、店を出て行った。
その翌日、店を開けようとする勇二郎、三男の純三郎(妻夫木聡)の前になつみが現れた。何と、店を手伝わせて欲しいと言う。さては、勇二郎の差し金と猛反対の勇二郎だったが、なつみは勝手に接客を始めた。気づいた勇二郎が止めようとするが、牛島ミノル(山田孝之)、川端守(田窪一世)の「今は、客が…」の声で踏みとどまる。なつみとホールに立つ純三郎は、彼女の出現にまんざらでもない。ランチタイム後の家族会議でも、純三郎はなつみをかばう。四男の光四郎(山下智久)も雇おうと進言するが、なつみは勇二郎に追い出されてしまった。