舞台は1996年の東京。ピアノ教室を営む瀬名の住むマンションに、白無垢姿の女性がやってきました。彼女は葉山南。瀬名のルームメイトである朝倉と結婚式を挙げる予定でしたが、朝倉がなかなか来ないのです。部屋には朝倉からの手紙が残っており、南は彼に逃げられたことがわかりました。
瀬名と南のもとにかかってきた電話は、南の実の弟である真二からのものでした。お金に困っているという真二は、恋人のルミ子とともに2人の部屋にやってきたのです。
モデルの仕事がなくなり、新人モデル・いづみのマネージャーの仕事をやらざるを得なくなった南。朝倉のことで荒れていた南は、自分に反発してきたいづみとケンカになってしまいます。それが原因で、南はモデル事務所をクビになってしまいました。
結局真二は帰って来ず、翌朝帰ってきた涼子は南と桃子を訪ねました。彼女は真二のことが気になる様子です。一方の瀬名は涼子の気持ちを知ってしまい、一人落ち込みます。めげずに再び彼女をデートに誘うも、何も進展できずにいました。
今までの様子とは一転、瀬名に対して好意的に振る舞う涼子。またデートすることになった2人を見て、南は複雑な思いを胸に抱えます。そんな南が出会ったのがカメラマンの杉崎です。撮影で関わったときから南のファンだという杉崎は彼女をライブに誘います。
振られた瀬名を励ます南。それでも立ち直れない瀬名は、音楽大学の佐々木教授のもとを訪れます。一方の南は杉崎と映画を見に行きました。それは瀬名と涼子が観たのと同じ作品で、別れ際に杉崎は南にアシスタントにならないかと誘います。
瀬名とのキスがきっかけでぼーっとしていた南は、納品するはずの杉崎のフィルムをなくしてしまいました。彼女は桃子にも手伝わせて、必死でフィルムを探し回ります。
朝帰りをした南に対し、皮肉を言う瀬名。2人は険悪な雰囲気になってしまいます。杉崎のことがあり、南は新しい家を探し始めるのでした。
南が出ていってしまい、意気消沈の瀬名。コンクールのために一流ピアニストの小田島の指導を受けますが、思うように演奏できない瀬名は突き放されてしまいます。更に、一緒に帰っていた涼子がトラックに轢かれそうになったのを助けたことで、右手を負傷してしまいました。
お互いのことを想いながらも素直になれず、すれ違う南と瀬名。一方、涼子と真二の関係も雲行きが怪しくなっていました。涼子を気遣うのに疲れた真二は、ルミ子との居心地の良さに気付き始めていたのです。
お互いの想いを確かめた瀬名と南。後日、そのことを報告された桃子は、以前から南の想いに気付いていたと祝福します。しかし、南にとっては良いことばかりではないようで、彼女は瀬名を想うゆえの苦しさも感じていました。