湖畔に佇む小学校をフルリノベーションしたホテルでは、卒業生や関係者を招待したプレオープンの初日を迎えた。フロントではホテルスタッフのチエ(清水くるみ)が宿泊客に対応しロビーには、すでに多くの人であふれていた。 そんな中、フロントへとやってきたのは、小学校の卒業生・佐々木(細田佳央太)とみく(莉子)。幼い頃からの幼なじみで、最近付き合い始めたばかりの二人は、初めてのお泊りデートとして思い出の地を訪れたのだった。 実は、いまだ手をつないだことさえない佐々木とみく。客室に入り、緊張するみくをよそに、佐々木はみくのその気持ちに全く気づかない。付き合う前から変わらないその態度に、みくはついモヤモヤしてしまう。そんな中、小学校当時のまま残されていた体育館へと向かうことに。 二人が小学生だった10年前と変わらない体育館を訪れた二人は、自然とバスケットボールで遊んだ当時に想いを重ねていく。だが、みくの一途な恋心と、恋に不器用な佐々木の想いは重ならない。 小学校時代の思い出とともに時間を過ごした二人。しかし、みくには心の隔たりばかりが残ってしまい…。
時間を少しさかのぼり、今はホテルのプレオープン準備期間中。ホテルスタッフのチエ(清水くるみ)は、同僚スタッフらとともに着々と準備を行っていた。 そこには、新人スタッフでまだホテル業務に慣れていない仁野(本島純政)と、教育係で仕事がデキる先輩・渚(川津明日香)の姿もあった。実は人知れず仁野の自宅へと渚が夕飯を作りに行く仲。 お互いに好意を寄せていたが、一途に思いを伝え続ける仁野に対して、渚は「付き合うことが考えられない」と言うばかりで、付き合うまでには至っていない。 プレオープン中には、ホテルウェディングやミュージックビデオの撮影なども行われる予定で、仁野と渚もそれぞれの業務に携わっていた。そんな中で、仁野がミスをおかしてしまう。ミュージックビデオスタッフのホテル見学の日程を間違えてしまったのだ。生真面目な性格の仁野がホテルのバックヤードで落ち込んでいると、渚は励ましながらそっとキスをするのだった。 それでも仁野を大切に思っていながら「今は誰とも付き合えない」という渚。 縮まりそうで縮まらない仁野と渚の恋人までの距離――。 その理由は、渚が胸に秘めていた仁野に伝えることのできない“秘密”だった…。
プレオープン中のホテルにやってきたのは、かつての小学校の卒業生、沙由里(小島藤子)。卒業生といえど、6年生のときに転校してきたため、小学校で過ごしたのは1年だけ。仲のいい友達がいるわけでもなく、30歳を目前に長年付き合った彼氏に振られ、ホテルへは一人で訪れていた。 周りを見渡すと、かつての小学校の思い出に浸る家族連れや友人たちのグループばかり。しかも、カップルから「写真を撮ってもらえますか?」とカメラを渡され、いたたまれないでいると、近くにいたカメラマン・新田(渡部秀)に助けられる。慣れた手つきで撮影する新田を横目に、居場所なくその場を後にする沙由里。 湖畔の美しい風景も、沙由里にとっては見慣れた地元の風景。傷心の沙由里は実家に帰る気にもなれない。仕方なくホテルのレストランで一人ランチをしていると、隣の席にカメラを手にした新田が案内されてきた。 「…お仕事ですか?」 「あ…ホテルの支配人と知り合いで、ホームページ用の写真を頼まれて…」 何気ない会話から二人は同い年だということがわかり、同世代の話題で盛り上がる。 ランチを終えた二人は、沙由里の案内で近くの山を散策することに。今まで何も感じなかった山頂からの地元の風景を、楽しそうに撮影する新田を見た沙由里は…。 そして、夜のホテルデッキには、お酒を手に語り合う、沙由里と新田の姿があって…。
15年前、廃校前の小学校。近くの交番に勤務する警察官・北村智行(猪塚健太)は、防犯訓練で小学校を訪れていた。そこで出会ったのは保健室の先生・晴美(藤谷理子)。きっかけは、防犯訓練で負った傷の手当てだった。「子どもたちを守る」という共通の想いを胸に、ささやかに笑い合う二人。それは、智行にとっては運命の出会いだった。 やがて二人は結婚し、睦まじい夫婦として暮らしていた――。 それから月日が経ち、ホテル・プレオープンの日。智行はひとりフロントへと訪れていた。だが、そこに晴美の姿はなかった。ホテルのどこを訪れても、かつて晴美と過ごした思い出がよみがえる。ひとり、行き場もなくし物思いにふける智行に声をかけてきたのは、かつての小学校の卒業生・美弥(清田みくり)だった。小学校時代、智行と晴美が担当していた防犯訓練に生徒として参加していた美弥は、「晴美先生も来てるんですか?」と気さくに話しかけ、かつての保健室だった場所へと智行を案内する。 15年前、小学生の美弥は保健室の常連だった。具合が悪くなりがちだった美弥に、晴美はいつでも優しく接してくれた。そんな美弥が語る晴美との思い出話を聞いた智行は、晴美と最期に交わしたキスを思い出し…。
プレオープン2日目の朝。 ホテルの1室では“世界で一番尊い歯磨き”(第1話)を終えた佐々木太陽(細田佳央太)と玉山みく(莉子)が、付き合ってはじめてのキスを交わしていた。初めて、恋人らしい時間を過ごす二人。 そんな中、佐々木に1本の電話が入る。それは、佐々木が通う美容師の専門学校から、学校代表としてロンドンへの留学生に佐々木が選ばれた、という連絡だった。美容師を目指す佐々木にとって大きなチャンス…だが留学期間は2年。これからのみくとの時間を大切にしたい佐々木は、留学のことをなかなか伝えられずにいた…。 一方、ホテルのバックヤード。 しばらくのあいだ帰省していたホテルスタッフの仙崎渚(川津明日香)が職場に戻ってきた。その帰省前、“ごめんね、さようなら”(第2話)と別れを告げられていた仁野司(本島純政)は、渚が離婚手続きのために帰省していたことを知る。 「恋がこんな味だって、僕、初めて知りました」。 仁野は改めて渚に想いを打ち明けるが、渚は「私の気持ちは、この前から変わらないよ」と言葉を遮ってしまうのだった…。 そんな仁野と渚の元に、佐々木とみくがやってくる。 偶然巻き起こる4人のささやかなやり取りから、停滞していた2つの恋が動き始める…。
プレオープン中のホテルでは人気アーティスト・神谷陽司(小関裕太)のミュージックビデオの撮影準備が進んでいた。ミュージックビデオには地元住民も出演することになり、ホテルではそのオーディションが開催されることに。ホテルの電気工事の仕事をしていた竹澤武蔵(青柳塁斗)は、スタッフの仁野(本島純政)が持っていたオーディションのチラシを目にすると神谷陽司の大ファンであることを公言し大興奮。仕事の相棒・小林(山崎光)を誘って、オーディションへの参加を即決する。 オーディション会場には20人ほどが集まり、一人ずつ自己紹介をしていた。審査員から“忘れられない恋愛の思い出”を聞かれた武蔵は、1年前に振られた元カノとのエピソードを赤裸々に語りはじめる。そこへ、「遅れてすみません!」とオーディション参加のためにやってきたのは西城玲奈(松井愛莉)。玲奈は武蔵の1年前の元カノだった。別れの苦い思い出から、思わずオーディション会場から抜け出そうとする武蔵だが、審査員に呼び止められ、玲奈を相手に告白シーンを演じることに!? オーディションとはいえ、振られた元カノを相手に告白するセリフを言うハメになってしまった武蔵。 オドオドしながらボソボソとしか言えない武蔵に対して、動じることなく淡々とセリフを読み上げていく玲奈だったが…。
小学生のころから地元で暮らし続けているケイタ(太田将熙)とアキラ(溝口琢矢)。廃校になった母校がホテルとしてフルリニューアルしたことをきっかけに、上京していた幼なじみのリュウカ(中井友望)たちと再会することになった。 新幹線の遅延に巻き込まれたリュウカを待つあいだ、先にホテルへ到着したケイタとアキラは、観光地となっていた地元の町並みをレンタルサイクルで周遊する。 知らない間に新しくできたカフェ、昔から変わらない懐かしい神社の境内…移ろいゆく地元の景色を巡る中で、ケイタは心に秘め続けていたある想いと向き合っていた。 ケイタにとって、アキラは幼なじみの中でも特に仲が良く、友情以上の感情を小学生のころから一途に抱いていた。だから、「アキラのいちばんの友達で居続ける」と心に決めてはいても、アキラに彼女ができるたびに人知れず苦しみ、そして彼女と別れるたびに安堵してきた。 急な通り雨に降られ、雨宿りのためにバス停までやってきた二人。土砂降りの雨の中、ケイタとアキラを沈黙が包み込む。 「好きだったんだ。ずっと、おまえのこと」。 不意に、秘めた想いと感情が言葉となってあふれ出したケイタだが、呆然としたアキラの表情を見て喪失感に襲われる。 無言のままホテルに戻ってきた二人。 告白してしまった後悔に打ちひしがれるケイタの部屋に、アキラが訪ねてきて…。
ホテルに到着したリュウカ(中井友望)は、幼なじみのケイタ(太田将熙)、アキラ(溝口琢矢)とともに、母校だったホテルで朝食を取りながら小学校時代を懐かしんでいた。 と、そこへリュウカの彼氏・テツオ(福崎那由他)が東京からこのホテルへと突然やってくる――。 「いったん距離を置いて考えよう」と言ったのはテツオだった。 それから2ヵ月ぶりの再会。別れを覚悟するリュウカに対して、テツオは「ちゃんと向き合いたい」とリュウカの元へと駆けつけたのだった。 小学校の頃からそのまま残る体育館でケイタとアキラ、そしてホテルに到着したばかりのサイ(松岡広大)と初対面したテツオ。幼なじみとの地元でのひとときに、着飾ることのない笑顔をはじけさせるリュウカのことをテツオはただ見つめていた。 その夜、地元の居酒屋でテツオも交えて食事をすることに。幼なじみの空気感に打ち解けながらも、東京で見せることのなかったリュウカの素顔に距離を感じてしまうテツオ。さらに、5人での時間を過ごす中で、リュウカがかつて話していた「ずっと好きだった人」に、気づいてしまい…。
ホテルのフロントに小学校の卒業生で、今や人気アーティストとして活躍するヨウジ(小関裕太)がやってきた。その目的は、新曲のミュージックビデオの撮影。幼なじみたちとの大切な思い出が詰まった小学校が、ホテルに生まれ変わったことで、ヨウジが自ら撮影場所として選んだのだった。 チェックインを済ませたヨウジは、ホテルのロビーで幼なじみのケイタ(太田将熙)、アキラ(溝口琢矢)、リュウカ(中井友望)と久しぶりに再会し旧交を温める。 だがヨウジは、その場にサイ(松岡広大)の姿がないことを気にかけていた。 役者として上京したものの、結果を出せないでいたサイ。ヨウジから直々にミュージックビデオ出演依頼があり、引き受けてはいたものの複雑な想いを胸に秘めていたのだった。 その夜、ミュージックビデオ撮影の打ち合わせの場でようやく再会を果たしたヨウジとサイ。 「約束、やっと守れてホッとしているよ」 そう声をかけるヨウジに対して、サイの態度は素っ気ない。 ミュージシャンと役者を夢見ていた頃は、親友のような時間を過ごしていた二人。しかし夢を実現させたヨウジと、思うところのあるサイとの再会は、気まずくギクシャクしたものに…。 そんな中、ヨウジにはホテルを訪れる大切な理由がもうひとつあった。それは、フロントスタッフ・チエ(清水くるみ)と会うこと。実は、ヨウジとチエは中学校からの幼馴染みで…。