金属加工工場の社長・向井浩(浅田祐二)の遺体が石段の下で見つかった。打撲痕から転落事故のようにも見えたが、手のひらがまったく汚れておらず、マリコ(沢口靖子)は不審を抱く。 規制線の外に出たとき、野次馬の中から「榊師匠!」とマリコを呼ぶ声が…! 声の主は、解剖医・風丘早月(若村麻由美)の娘・亜矢(染野有来)で、マリコを“師匠”として慕う彼女は医大を卒業し現在、近くの病院で研修医として勤務しているという。 その後、頭部の打撲痕が現場の階段とは一致せず、向井の下足痕が現場にひとつも残されていなかったことが判明。どこかで殺害され遺体を遺棄された可能性が浮上する。 工場では前夜、新入社員・松井陸(羽谷勝太)らの歓迎会が開かれたが、向井は急用ができたと言って欠席していたことが判明。工場長・林健一(大堀こういち)によると向井は最近、近所の草木染職人・椛山卓司(片桐仁)や病院事務長・須黒正明(肥後克広)ともめていたことがわかる。向井の工場では冷却水用に井戸を掘ったのだが、その影響なのか草木染工房と病院、それぞれが使っていた井戸の水質が変わり、苦情が寄せられたという。 土門薫(内藤剛志)が事情を聴くと、椛山は死亡推定時刻、染液の調合をしていたと話すが、弟子の長谷部拓海(庄司浩平)によれば、そのアリバイは嘘だった。また、須黒のもとも訪ねるが、彼のアリバイを証明したのは奇しくも亜矢で…。