「かすみ銀行・増淵支店」で銀行強盗の防犯訓練が始まる。瑞穂(仲間由紀恵)は訓練決行の合図を出すと共に広報写真の係である。午前10時の開始予定時間が延びており、冷や冷やしている瑞穂は、路上に一人の老人(左右田一平)が立っているのを発見した。彼に移動してもらい、やっと開始できたのは10時20分であった。予定通り、銃を持ちヘルメットを被った強盗役の刑事二人が銀行に押し込む。警察無線が「訓練」と前置きし「強盗発生」を通達する。10時25分には、捜査一課の鶴田(益岡徹)率いる耕輔(オダギリジョー)ら鶴田班や亀田(矢島健一)班が現場に揃う。と、なんと、同時刻に同じ「かすみ銀行」の北山支店に本物の銀行強盗が入ったのだ。 一課の捜査会議が始まった。犯人は、訓練を事前に知っていただけではなく、予定より20分遅れたのも認識している。となれば銀行か警察内部に関係する人間がいることは間違いなかった。重い空気がたち込める。
OLが絞殺体で発見された。被害者の体中にマジックで「性悪」「バケモノ」と書きなぐるという異常な犯罪である。そして、電話線は切られているのに、被害者の携帯電話は何故か残されていた。本間一課長(升毅)が「18年前にも、同じ手口の事件があった」と言う。興味を持つ耕輔(オダギリジョー)。鶴田(益岡徹)は「迷宮入りだった」と無念がる。 翌朝、内村(海東健)や臼井(渡辺憲吉)ら記者が「美人OL殺人」と色めきたつ。「不謹慎」と怒る瑞穂(仲間由紀恵)が、捜査一課行き命じられた。瑞穂が呼ばれた理由は、一課にかかってくる情報や苦情電話の対応のためだった。加奈子(京野ことみ)や七尾(田中律子)も動員されていた。一方、聞き込みに行った耕輔は、つんとくる酸っぱい臭いをさせる女らしい人影を見たと言う目撃証言を得た。
資産家ばかりを狙った強盗事件が続いていた。耕輔(オダギリジョー)たちの緊張はピークに達していた。そんなころ、瑞穂(仲間由紀恵)は広報誌の特集のため南横浜署の梶間刑事(石橋蓮司)を取材することになった。梶間は県下ナンバー1の検挙数を誇っているのに、所轄を動かない名物刑事だった。だが、梶間は、チンピラから小遣いを巻き上げるような悪辣な刑事で、どうも敏腕の額面だけでは測れなさそうだ。内村(海東健)も、梶間の黒い癒着など影の部分を追っているのだと言う。 一方、連続強盗捜査で、耕輔は加奈子(京野ことみ)と、尾崎(品川祐)は相田(黒坂真美)とカップルを装い、深夜の高級住宅街で不審なワゴン車を発見し、張り込みを始めた。
加奈子(京野ことみ)が、とある倉庫街で襲われ、銃を奪われてしまった。騒然とする県警本部。瑞穂(仲間由紀恵)も一課に駆り出されることになった。加奈子は鉄パイプで何度となく殴られており、意識不明の重体であった。耕輔(オダギリジョー)らの捜査が始まった。 瑞穂は、いかにも古参といった箕田刑事(佐野史郎)と捜査を組まされることになった。まずは、靴跡から割り出された靴の販売ルートを追うことから始めた二人。量販店で聞き込みをやっていると、瑞穂は万引き少年を見つけてしまった。店外まで追う瑞穂。本部に帰るや否や、瑞穂は箕田から「捜査は時間の勝負だ。正義感の自己満足より仕事を優先させろ」と、烈火の如く大目玉を食らう。
瑞穂(仲間由紀恵)と耕輔(オダギリジョー)に追い詰められた警察ショップの店員・芥川(内浦純一)は、耕輔たちに向け銃を発射した。瑞穂をかばおうとした耕輔は、肩を撃ち抜かれ階段を転がり落ちて意識を失った。芥川はそのまま逃走した。 緊張が充満する県警本部で、回復した加奈子(京野ことみ)は、「今度のことで、やりたいことは今やらなきゃ、後回しは後悔するって実感した」と瑞穂に語る。瑞穂はその言葉が堪える。 瑞穂が、「古井戸を覗き込む女」を売っていた古美術店の前を通り掛ると、その絵がまだ飾ってあった。店長の山城(宇梶剛士)によると、その絵を描いた作家の知人・房子(大塚良重)が瑞穂へ渡すよう指示したのだ。瑞穂が「描いたのは父かも」と山城に言うと、山城は、「古井戸」のモデルが写った写真も寄越した。瑞穂はその足で、孤児の自分が育った教会へ向かった。シスター(銀粉蝶)は、その写真を見て「三浦茜さん・・・。教会の信者です」と知っている様子。瑞穂は「私の母では」と問い質す・・・。
瑞穂(仲間由紀恵)や加奈子(京野ことみ)たちが配った「連続通り魔事件」の目撃情報を求めるチラシから、園田(浜田道彦)が捜査線上に浮かび、耕輔(オダギリジョー)と尾崎(品川祐)が追い詰めた。その時、耕輔の脳裏に、首を絞められる母親の記憶が蘇った。人が変わったように園田を殴りつける耕輔。鶴田(益岡徹)に腕をつかまれ、耕輔はやっと正気を取り戻す始末だった。 園田は、8件の犯行を自供したが、ピアニスト・白川恵津子(長内美那子)の事件だけは否認を続けた。 耕輔は樋口(余貴美子)のカウンセリングを拒み続け、樋口は、鶴田に、耕輔をしばらく一線から外すように進言した。 白川恵津子は、外傷性健忘症で自宅療養中であった。だが、記憶が戻ったとの連絡が入り、捜査一課は騒然となった。もし、犯人の顔を思い出し、それが園田であれば、すべて解決だからである。樋口と瑞穂を同行させ、似顔絵を描かせることにした。
瑞穂(仲間由紀恵)に耕輔(オダギリジョー)は、19年前に母を襲った犯人の顔を描かせた。まさにその時刻、その顔の男が樋口(余貴美子)のマンションを訪ねていた。男は、片岡菊馬(梅垣義明)という。片岡は、樋口の昔の患者であった。 「ネックレスを送り付けたのはあなたね」と樋口。義手姿の片岡はそれを認め、「捌かないと昔のことをバラすと脅された。警察に行っても信じてもらえないから、先生に送った」と説明する。そして、驚愕の告白を付け加えた。「19年前の強盗殺人は、私がやった」。耕輔の事件を認めたのだ。「薬物を買う金欲しさに強盗に入った」のだと言う。 瑞穂は、似顔絵を見ながら、本気とも冗談とも取れる感じで「見つけたら殺す」と言う耕輔に「この人に会うことは、自分自身に会うことです。復讐なんかしないで」と諭す。