東京・渋谷の商業施設で売られている四角いバウムクーヘン。そこには忠犬ハチ公のイラストが書かれており、そのイラストに沿って型抜きされている。お客はそれを抜き出して楽しむというものだが、この型抜きをしているのは、なんと水。マッハ2の高速でバウムクーヘンを濡らさず精巧に切ることができる。このウォータージェットカッタを作っているのが富山県滑川市に本社を置くスギノマシンだ。スギノマシンのウォータージェットカッタは食品だけでなく、プラスチックや鉄、ダイヤモンドまで何でも切れるという。さらに、この技術を応用し、道路工事のアスファルトを剥がす超高圧ポンプや自動車の部品のバリ取り機といったニッチながらも画期的な製品を開発し、様々な産業の作業効率化に貢献。今や常時取引のある企業は5000社以上にのぼり、創業以来89年連続で黒字経営を成し遂げている。ニッチな市場で唯⼀無⼆の存在感を放つ産業機械メーカーの全貌に迫る。