女子高の同窓会で木綿子(水野真紀)と亜紀(西田尚美)が再会し、二人の親友だった梨花(原田知世)が起こした事件を話し合う。梨花はパート先の銀行から1億もの金を横領し、海外に逃亡中だった。サラリーマンの夫・正文(光石研)との二人暮らしを守っていた専業主婦が、なぜ他人の金に手をつけたのか。若い男(満島真之介)に全て貢いだという報道を、木綿子たちは信じられないが…。
梨花は銀行の資格試験に合格し、フルタイムで働き始めた。その給料でペアウォッチを買い、正文にプレゼントするが、何かにつけて梨花をおとしめる夫は、さり気なく腕時計のこともけなした。一方、梨花への憧れをストレートに表現する光太から誘われ食事をともにした梨花が何気なく「変わりたい」と口にしたところ、光太は強い口調で「そのままでいて」と言った…。
借金を肩代わりしたことに光太が後ろめたさを感じないよう金持ちの演技を続ける梨花は、ゴールデンウイークを高級ホテルで光太と過ごすことにした。だが、横領がばれるかも知れないという恐怖から、顧客に異変がないかを確認して回り、ゆっくり休むことは許されない。そんな中、自宅でニセの預金証書を偽造していると、上海に単身赴任中の正文が突如帰宅する…。
高級ホテルでの逢瀬になれた光太から「梨花さんと普通の時間を過ごしたい」と言われ、梨花は光太と住むためのマンションを新たに借りた。一緒に買い物をして一緒に料理を作り、笑いながら食事をする。正文とは決して持てなかった普通の時間に充足感をおぼえる梨花だが、光太が「お金のためにアクセク働くなんてバカらしい」とつぶやくのを聞き、心がざわつく…。
光太に若い恋人がいると知った後も、梨花はその事を告げずに光太との関係を続けていた。そんな折、正文が上海での単身赴任を終え帰国することが決まった。もはや正文との生活を想像できない梨花は光太との将来を相談したいと願うが、若い恋人と一緒にいる光太からは会うことさえ拒否されてしまう。そして、わかば銀行に監査が入ることが決まった。10日間の休みを命じられた梨花は、全ての記録を燃やして海外逃亡を企てる…。