大正、昭和、そして平成と生き抜く女性は、今もなお三味線と都々逸などを舞台で披露している。その人は〝芸人〟内海桂子さん、93歳。終戦後の当時まだ〝女性漫才コンビ〟が珍しい時代に、内海桂子・好江でコンビを結成。28歳だった桂子さんはすでに2児の母だった。一方、コンビを組むことになった好江さんは14歳。倍ほどの年齢差があり、ひとたび舞台を降りれば2人はコンビではなく師弟関係。稽古を積み、テンポの良い"江戸っ子漫才"で、やがて人々を笑いの渦に引き込んでいく。そして結成から30年後、漫才界では初となる「芸術選奨 文部大臣賞」を受賞。名実ともに、漫才界を代表するコンビとなった。 さらに、桂子さんは64歳の時に出会った24歳年下の男性と交際。その13年後、周囲の反対を押し切り晴れて夫婦となる。今ではその年下の夫がマネージャーに。93歳の今も、24時間、夫と離れる時はない。 今回は、数々の困難を乗り越えてきた、内海桂子さんの波乱万丈の人生を紹介する。