昭和を代表するエンターテイナー、坂本九。戦後日本の歴史でただ1人、「ビルボード全米1位」という快挙を成し遂げ、敗戦の傷跡が残る日本人に、勇気と誇りを与えてくれた。しかし、老若男女に愛される国民的スターが、そのトレードマークのはじけるような笑顔の陰で苦悩を抱えていたことはあまり知られていない。「優等生の九ちゃん」というイメージからの脱却、ヒットチャートへの焦燥感…。そんな日々の中で出会った、ハンディキャップを持つ人々のひたむきな姿に、男は改めて「歌」への思いを強くする。"人と人の心をつなげる「うた」を歌いたい…"。心をすり減らしながらも、笑顔を失わず、歌い続けた九ちゃん。だが、その夢はあまりにも唐突に奪われてしまう。 番組では、「エンターテイナー 坂本九の夢と素顔」に焦点をあて、その激動の人生をつむぐ。そして、今まであまり触れられることのなかった九ちゃんの音楽的才能も、専門家のインタビューを交えて検証。なぜ『上を向いて歩こう』は言葉の壁を超え、海外でも愛されたのか?解き明かす。