1969年、学生運動の嵐が吹き荒れ、多くの大学がバリケード封鎖される中、早稲田大学で山下洋輔らがバリケードをかいくぐり、無許可のライブを挙行した。この日だけは対立する過激派学生らはゲバ棒を振り回すことなく命がけの演奏に聴き入った。それから半世紀あまり、作家・村上春樹の呼びかけで同じ山下洋輔トリオによる再乱入ライブが早稲田で再び行われた。50年を超えてよみがえる当事者たちの思いと音楽の力を見つめる。