京都寺町三条にある骨董品店『蔵』。まるでレトロなカフェの様な佇まいのこの店に、真城葵は祖父の形見の掛け軸を手に訪れる。そこにいたのは、類い希なる観察眼と恐ろしい推理力で「寺町のホームズ」の異名を誇る家頭清貴。清貴は葵に問いかける── 「……葵さん。もしよかったら、ここで働きませんか?」