「僕を助けてください」―北斗を激しく虐待し続けてきた父親の死後、事態は思わぬ方向へ動く。夫の暴力に依存していた母親が、北斗に対し、父親の代わりに、自分に暴力を振るうよう求めるようになった。同時に北斗自身もまた、破壊衝動が抑えられなくなる自分に恐怖を抱くようになっていった。自分にはあの男の血が流れている―そう自らを呪う北斗は、児童相談所の富岡(二階堂智)のもとへ助けを求めに駆け込むが……。