天文22(1553)年夏、主人の金を盗まれてさすらう身となった日吉は、仕官の道を求めて流浪する明智光秀と出会った。折りしも織田信長と斎藤道三が正徳寺で会見し、日吉は光秀とともに樹上からその模様を望む機会を得た。うつけの異名など露ほどもうかがわせず、鉄砲の威力を示して堂々たる信長の武将ぶりに、日吉は大いに驚き感服する。