平成17年、70年ぶりに日本の土を踏んだブラジル移民の高倉ハル(森光子)は、生き別れになっていた妹ナツ(野際陽子)を捜しあてる。しかし、自分は家族に70年前に捨てられたと冷たく言い放つナツ。
失意のハルは孫の大和(今井翼)に昔のことを語る。昭和9年、北海道からブラジルへの移民を決意したハル(斉藤奈々)一家。が、妹ナツ(志田未来)が神戸でトラホームと診断され、日本へひとり残さざるをえず、姉妹は涙の別れとなったのだった。
一方、現代のナツは、かつて姉ハルがブラジルから出しつづけたものの自分に届かなかった手紙を手に入れる。そこに綴られたハルたちのブラジルでの暮らしぶり、コーヒー園での労働の日々は過酷だった。収穫量も思うようにならず、父忠次(村田雄浩)と家族とはいさかいが絶えなかった。
そして現代のハルのもとへ、戦前のナツの手紙がブラジルで見つかったという知らせが…。